経営危機に陥った東芝が3月末で降板する人気アニメ『サザエさん』(フジテレビ系)のスポンサーに、
インターネット通販大手のアマゾンジャパン、ベビー用品専門店の西松屋チェーン、
住宅メーカー最大手の大和ハウス工業が決まった。

 
美容外科「高須クリニック」をはじめ、日産自動車やLINEなど10社近くが争奪戦を繰り広げた。
だが、アマゾンジャパンは下馬評にも上がっていなかったため、まさにサプライズといえる。


 では、日本の流通小売業を震撼させているアマゾンが、
『サザエさん』のスポンサーになる狙いはどこにあるのか。



■スポンサー料は年間8億円?
 

東芝は1969年10月、『サザエさん』の放送が始まって以来、
48年にわたってスポンサーであり続け、冷蔵庫や洗濯機など白物家電を中心に紹介してきた。


 家電市場が頭打ちになった98年に1社提供を終了。2016年6月に白物家電事業を中国メーカーに売却したが、
「企業イメージを維持するため」に『サザエさん』のスポンサー契約は継続してきた。

 
米国原発事業の巨額損失により17年3月期決算で債務超過に転落し、経営危機に陥った。
半導体子会社・東芝メモリを売却したことで18年3月期は債務超過を解消するが、
経営再建の一環として昨年11月、『サザエさん』からの降板を発表した。


『サザエさん』の視聴率は低下していた。
79年9月16日には39.4%の過去最高の平均視聴率を記録(ビデオリサーチ調査、関東地区/以下同)。
14年2月まで平均視聴率は21%を超え、国民的な番組の地位を不動にしてきた。
しかし、16年には一桁台になることが増えるなど急降下。18年2月5〜11日の週の平均視聴率は10.5%。
アニメ部門では依然トップだが、普通の番組となった。

 
とはいえ、フジテレビにとって『サザエさん』は、視聴率とスポンサー料が稼げるドル箱であることに変わりはない。
スポンサー料は推定で、1社月7000万円、年間8億円程度といわれている。
老若男女のすべての世代に訴求できる番組は『サザエさん』以外になく、
スポンサーにとって企業イメージを上げることにつながれば、さほど高くはない値段といえる。



関連ソース画像
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ビジネスジャーナル
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続く)