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9月4日(水)朝日新聞東京版朝刊オピニオン面・多事奏論

編集委員 国分高史   再結集にらむ野党 若者の支持なしに未来はない

7年前に政権の座を失った立憲民主党や国民民主党などの旧民進勢力が、再結集を
にらんで動き始めた。これをどう見るべきか。

「いまさら統一会派を組んだって遅すぎる。次の衆院選も自民党は負けないよ」。
選挙対策に精通する自民関係者はこう語って余裕の表情を見せる。

7月の参院選で立憲や国民など4野党は全国32の1人区で候補者を一本化し、
10選挙区で勝利。自民は全体で選挙前から10議席減らし、「改憲勢力」も
3分の2を割ったことから、立憲の枝野幸男代表は「野党共闘が前進した」と
評価した。

ただ、大勝した6年前からの議席減は、自民も織り込み済み。改憲の議論が進むか
どうかは別としても、安倍政権の頑強な国会運営は揺るぎそうにない。

前出の自民関係者は「一昨年の衆院選で野党の分裂はうちを利するだけということが
明白になった以上、旧民進勢はさすがに手を打ってくると思っていた。それなのに
あの程度の共闘しかできず、複数区で国民の現職に立憲が新顔をぶつけたところも
あった。あんなことをしたら後々に恨みしか残らないのに」とあきれる。

選挙結果について首都大学東京の境家史郎教授は「しないよりはましだが、
政党として割れている野党が選挙で共闘しても、たかが知れている。1人区で
10勝して『よかった、よかった』といっても政権交代への展望は開けず、
政治に緊張感はもたらされない」と手厳しい。

(続く)