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(続き)

タレントにも

永田町にとどまらず、一般社会でも、首相や政権への批判とみなす言動をした人に対し、
激しく非難する風潮が広がった。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事では、埋め立てに
反対の意思を示す沖縄の民意を無視する形で工事が続く。ネット上では、沖縄で
反対する人への激しい非難があふれ、埋め立て反対の署名を呼びかけたタレントの
ローラさんには、「政治的発言をするな」との書き込みのほか、テレビでも批判する
人が現れた。

原発や基地問題などの時事ネタを漫才で披露するお笑いコンビ
「ウーマンラッシュアワー」に対して、「漫才に政治観を出すな」と批判する人もいる。

こうした「攻撃」が、社会で一定程度、支持される現実がある。東京工業大学の
中島岳志教授(日本政治思想史)は「議論ではなく言い負かしあいの風潮、断言が
ウケる社会が定着した」と指摘。長期政権は「断言する政治家に賭けてみよう
という人の感覚をつなげて、政治勢力にした」と分析する。

(終り)