それだけではない。2020年10月をめどに販売網を縮小し、首都圏・関西圏などに限定するという報道が一部でなされ、さらには「首都圏と関西圏以外
のほぼ全ての支局を閉鎖、撤退する計画もあるらしい」(業界事情通)との噂まで浮上。もしこれが本当なら、産経新聞は東京と大阪周辺のみのブロック
紙となり、事実上、全国紙の看板を降ろさざるをえないことを意味する。産経では今年秋に新たなWEBメディアの立ち上げが予定されているが、デジタル
部門に注力するかわりに「最終的に紙(新聞)からの撤退もあり得る」(前同)との観測まで囁かれているのだ。
 たしかに産経新聞社の経営不振は深刻だ。2018年3月期決算によれば純利益で約9.5億円の赤字を出しているし、2018年度は通期で30年ぶりの営業赤字
も確実視されているといい、また、実売数も100万部を切るのではないかともいわれている。
 しかし、今回の“大リストラ”は単なるコストカットの意味合いだけではないらしい。ある産経新聞関係者は「会社そのものの存続がかかっている」と打
ち明ける。
「産経新聞の台所事情は相当苦しい。幹部の間でもこのままでは会社の存続が難しいという危機感がある。産経新聞社は現在、フジ・メディア・ホールディ
ングス(FMHD、中核はフジテレビ)が株の約40パーセントを握る持分法適用関連会社ですが、将来的に子会社化する計画が進んでいます。しかしFMHD
は一部上場企業ですから、赤字では子会社化してもらえない。ですから生き残りをかけた必死のリストラを行っているのです」
 しかもこうした情勢を見て、リストラ対象以外の若手社員の退社も相次いでいる。
「人手不足の上に人員削減のリストラですから、現場は疲弊。鬱憤も溜まっています」(前出・産経新聞関係者)