社内では『産経は全国紙なのに、広告界からはジャンクメディア扱いされている』と嘆く声も上がるほどです。そこで『正論』色を
薄めるために、"嫌韓反中"路線の記事ばかりでなく、中立的な記事も少しずつ掲載されるようになったのです」
 ちなみに、産経新聞の2018年3月期決算は9億円の赤字。コスト削減のために販売網を首都圏と関西圏に絞り、「全国紙」の看
板を下ろすのではないかとの報道も最近は相次いでいる。
 「リストラを断行し、2000人いる社員を1000人に減らすとの噂も社内で飛び交っています。紙を減らし、好調なデジタル部
門とのメディアミックスで生き残りを図るため、第一歩として踏み出したのが記事のマイルド化だと社内では受け止められています」
(産経関係者)

この動きについて、朝日新聞社OBで『新聞社崩壊』(新潮新書)の著者、畑尾一知氏はこう語る。
「やろうとしている改革の方向は間違っていませんが、いかんせん遅きに失しました。せめて10年前に改革に着手していれば......。
論調の修正も、『正論路線』を支持してきた従来の愛読者が離れる側面もあり、経営的にはさほどプラスにはならないでしょう」

畑尾氏は将来、産経新聞の身売りもありうると予測する。
「産経の経営改革は、フジサンケイグループが将来のM&Aを見据えているからかもしれません。リストラは企業価値を上げるための
身辺整理。論調の修正も広告対策のみならず、買い手を幅広く探すためという可能性も否定できません」
もし、新聞の種類が減れば言論は先細る。サバイバルに挑む産経の奮起に期待したい。
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12176-149025/