<解説>

 小渕政権が、自民党政権下で警察制度の抜本改革を目指したのは田中派に所属し、日本の司法警察制度
の実態を目の当たりにし問題を認識していた為。
『警察を取り締まる機関』とは、警察制度の改革を目指した小渕内閣が、国家公安委員会の第三者機関
として設置した「警察刷新会議」が提唱した警察外部監査制度のこと。
 これには、警察庁側が「警察が潰れてしまう」と組織を上げて抵抗した結果、導入が見送られた。
小渕総理の急死により、刷新会議は中途半端で終了し、提言も肝心な部分は骨抜きになってしまった。
(父の後を継いだ優子氏も要職に就くと、瞬く間に足をすくわれた。小渕の名は警察に嘗ての恐怖
を思い出させたか。安倍政権、側近を警察官僚で固めるも彼らとは同床異夢のようである)。

 警察庁が外部監査制度を導入に死に物狂いで抵抗した理由は明白
公安がどんな犯罪をやっても(公安の活動実態では日常茶飯事)警察庁には隠蔽する事しか出来ない。
公安の犯罪を裁くのであれば、それは活動の一端に過ぎず、公判を通じて多くの犯罪事実が明らかに
なってしまう。そうなると、これまで野放し状態にして来た責任を取らねばならず、それは現在の幹部
だけでなく、嘗て、その地位にあった者、全員に及ぶ。したがって、公安の犯罪はその罪が重いほど
裁く事が出来ない(警察庁はこれまで公安の犯罪は、万引きや個人情報の遺漏など比較的軽い罪を
使って法で裁いている振りをしてきた)。
この現状に改革を強いるのが小渕内閣警察刷新会議が導入しようとした警察外部監査制度だった。
こを読み解けば、警察庁が「警察が潰れてしまう」として外部監査制度を導入に死に物狂いで抵抗し
た理由が自ずと明らかとなる。
「警察が潰れてしまう」とは、警察に外部監査制度を導入すると、幹部を含む多くの者が刑務所行き
となり、警察組織が崩壊してしまうほど警察が悪に染まっている事を警察庁自身が認めたものだ。
警察上層部の警察官僚たちが、これまで公安の犯罪を悉く隠し通すことに心血を注いで来たのは組織防衛
のため。警察の組織を守る事が自分たちの身を守る事だからだ。