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(続き)

「政治的に選別 おかしい」「防犯 理解はできるが…」

一橋大学の坂口正二郎教授(憲法)は、「公道の立ち入り制限には差し迫った具体的
危険が必要だ」と話す。一国の首相という事情もあり、武器を持っているような者を
遠ざけることは許容されうるとしつつ、「政治的な立ち位置を理由に選別するのは
おかしい」と指摘する。「街頭に出る以上、支持しない人がいるのは当たり前。
支持者だけを並べるのは公共空間を私的空間に作り替えるようなもの」と言う。

こうした状況でも、安倍首相が秋葉原で街頭演説をするのはなぜか。駒沢大学の
逢坂巌准教授(政治コミュニケーション論)は「首相にとって秋葉原は『聖地』。
自民党が政権復帰した選挙で演説した場所で、秋葉原で演説を終えた過去4回の
国政選挙で勝っている」と話す。公道の入場規制については「都議選での混乱を
踏まえ、歩行者の通路の確保や防犯上の対策というのは理解できる」。ただ、
周囲を支持者で固めるのは「都議選の『こんな人』発言の繰り返しを避けたい
陣営の考えでは」と推し量った。

(終り)