もっとも、好調な大阪の3店も19年2月期になれば売上高の伸びは鈍化すると見込む。部分改装の予定もあり、近鉄本店は0・9%増、高島屋大阪店も1・2%増とさえない。
そこで近鉄百貨店は年内にも、中国やフィリピン向けに越境ECのサイトを開設する。「訪日客による売り上げを増やすには限界がある」(高松啓二社長)と考えるからだ。

 みずほ総合研究所の宮嶋貴之主任エコノミストは
「インバウンドは為替変動の影響を受けやすく依存は禁物。とはいえ国内消費も縮小傾向だ。商品説明を多言語でデジタル化する、決済方法を多様化するなどの整備を進めれば、結果的に国内外の客の利便性を高められ集客策となる」と指摘する。