>「権力監視こそ(新聞等のメディアの)役割」 映画:「新聞記者」公開記念シンポ メディアの在り方議論

 映画「新聞記者 https://shimbunkisha.jp/ 藤井道人が監督、シム・ウンギョン&松坂桃李のW主演の」
の公開記念シンポジウム「官邸権力と報道メディアの現在」(主催・琉球新報社、提供・スターサンズ、協力・
イオンエンターテイメント)が2019年6月7日夜、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた。
 
 東京新聞記者の望月衣塑子、元文部科学事務次官の前川喜平が登壇し、現・安倍晋三政権による報道圧力や、
権力の監視役としてのメディアの在り方について議論を交わした。700人余りの聴衆が耳を傾けた。

 望月衣塑子は、官房長官会見で鋭い質問を繰り返したことなどが理由となり、質問制限をされた自身の
経験や政権がメディアを操作しようとしている実態を語った。その上で「メディアは政府にとって都合の
いい道具ではなく、政府を監視する側の役割を担っている。権力監視をすることが役割だという原点に
戻ることが大切だ」と力を込めた。
 
 前川喜平は文部科学省の事務方トップである事務次官時代や、官邸によるとみられるリークによって
事実とは違う報道をされたことなどを語った。現在のメディアについて「国民に真実を伝える役割を
果たしていない。政権のプロパガンダ、敵対者を攻撃するための道具に使われている」と厳しく指摘した。
 
 会場は満員の約600人が詰め掛け、2人が考えを語ると大きな拍手がわき起こった。1階マルチビジョン
などでも約100人が視聴した。望月衣塑子の著書 http://shinsho.kadokawa.jp/product/p-321707000063/
が原作となった映画「新聞記者」の名場面上映もあった。

【 令和元年6月8日(土) 掲載 琉球新報 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-932549.html 】