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レーニンにより、社会主義国家ソ連が誕生した。土地を地主から取り上げ、企業を経営者から取り上げ
国営にすることで、共産党独裁による経済の国家統制が始まった。当然に政治も経済も国が経営することで、大きな中央集権政府となる。
公共サービスも国が運営することになり、「医療費も学費も何でも無料ですよ」とは、最初の社会主義国家の謳い文句だった。
しかし、大きな一党独裁の中央集権になることで、政治家や官僚などの社会を動かす層は、徐々に赤い貴族化していくことになる。
結局は、人民の味方であるはずのこれらの連中も力で近隣を平定して王になった統治者と同じ道を歩んでいくことになる。
ノーメンクラーツラと呼ばれた赤い貴族達は、人民を犠牲にしても、権力闘争に明け暮れることになる。
権力を掌握し統治権を得た赤い王様は、個人崇拝を人民に強要し、自分を神格化させ、それに逆らうものは、容赦なく人民の見ている前で
残酷に処刑されていった。自分に逆らう反革命分子が多い場合は、収容所で徐々に殺していった。
当然、共産主義国家の労働者は、やる気を失せていくことになる。スターリン時代の第一次五ケ年計画以後に生産力が落ちていったのは
そのことに原因がある。労働者のサボタージュに共産党は、思想教育を仕事の終わった後などに試みるが、労働者達の
共産党に対する懐疑は、深刻だった。その先にソ連、東欧崩壊という現実があったということだ。
今のロシアも中国も経済は、国が統制せずにグローバルに自由にやらせることが、国力を伸ばすのに大事だということが教訓になったようだ。
しかし、自由主義国家の中で自由交易経済の恩恵を受けながら、いまだに社会主義にバラ色の夢を持つ者がいるのが不思議な現象だ。