妙法蓮華経の題号は、花と実が同時に生長する不思議な植物の名に由来します。
この法門によって、迷いの九界と仏界を同時に併せ持つ衆生が、凡夫の身のまま
成仏する煩悩即菩提、生死即涅槃が示されるのです。

また妙法は、開く、具足円満、蘇生の義があるといわれ、抜苦与楽、宿命転換の法であり、
個人の人生のみならず、国土・社会を変える力があるといわれます。

煩悩、迷い、苦悩を抱える我々凡夫の誰もが、日々御本尊に縁し、題目の音声によって
仏界の生命を涌現させ、日常を離れることなく、それぞれの願望や苦悩の解決をめざし、
最終的に成仏の境涯へと至っていける。それゆえ一切衆生の成仏が可能となり、
ここに法華経が経王と呼ばれる所以があるのです。