郵政民営化法案は、心ある愛国議員たちによって参議院では一旦否決されます。
その翌日、ワシントンの広報誌であるウォール・ストリートジャーナルはこんな記事を出しています。
「これで我々が待ち望んだ3兆ドルは、しばらくお預けだ。が、しかし、小泉総理は頑張るに違いない」ええ、頑張りました。

とりわけ、アメリカからの指示を受けた竹中郵政民営化担当大臣はしっかりとその期待に応え、それまで誰も手をつけなかった郵政民営化は、小泉政権下であっさりと実施されたのです。
07年には郵政局会社・郵便事業会社・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の4社に再編され、15年には東京証券取引所第一部に上場、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険も同様に、日本郵政から株が売り出されました。

それまで安全な日本国債で日本国民のお金を運用していたゆうちょ銀行は、米系企業の株式や債権に投資する比率をどんどん上げ始め、ゴールドマン・サックスの勧めるリスク商品に投資するようになったのです。
竹中氏を後押しして郵政民営化の実現に貢献したゼーリック氏は「大金星」を上げ、世界銀行総裁、国務長官と順調に出世の階段を登ってゆき、13年には再びゴールドマン・サックスへと舞い戻り、
国際戦略アドバイザー統括責任者という輝かしい椅子を手にいれたのでした。

ウォール街関係者との間でこの郵政民営化が話題に出ると、
「小泉総理が郵便局の貯金を差し出し、次に彼の息子が農協の貯金をウォール街に捧げてくれる」などという不吉な言葉が出てきます。
350兆円の郵便貯金の次にウォール街が喉から手が出るほど欲しいのは、600兆円と言われる農協の貯金、そして私たちの老後を支える、130兆円の年金です。

小泉新次郎議員が熱心に進める「農協改革(解体)」が完全に民営化路線なのは偶然ではありません。
親子二代で貢献しています。そして私たちの年金にも手が伸びてきました。

■私たちの年金がどんどんウォール街に流れてゆく