リゾートセンター前の不思議な像を見て、私は心底恐ろしいと思った。
頭のてっぺんから足の爪先に至るまで全身が、
避妊具を着けた男性器の様に見えるではないか。
無機質。表情が伺えない。人間らしい温かみをまるで感じない。
性欲が全てという、世間でよく耳にする獣の如き男性のイメージ。
まさしく性欲の権化、まともな会話が通じる相手とは到底思えない。

平和の象徴とも言えるスポーツの祭典に、
何故この様な奇怪な像が設置されなければならなかったのか。
その事に想いを馳せると、ある事にはたと気がついたのである。
この像は我々日本人の醜悪さを暗喩しているのではないだろうか。
年端もいかぬ少女達を寄ってたかって嬲りものにしておきながら、
七十余年を経て尚、未だに心からの反省も謝罪も賠償もしない。
日本という国の卑怯さを揶揄しているのではないか。
私にはその様に思えるのである。

そう言えば、像の顔の部分は鉄兜を被せられた様にも見える。
鉄兜。日本軍が好んで使用した避妊具の俗称も、鉄兜だった筈。
きっと慰安婦の少女達の目には、日本人がこの様に映っていたのだろう。
親元から無理矢理引き離され、その様な獣の棲家に押し込められ、
彼女達はどんなにか苦しく、また心細かっただろう。
性奴隷にされた少女達の苦衷を想うと、日本人として胸が痛むのである。
また、像の通称は現地では「弾丸マン」というらしい。
これまた無辜の民衆を踏み躙り傷付ける、日本に相応しい名だ。

安倍総理は五輪の開会式に出席して、韓国に恩を売ったと満悦の様子だが、
それは取りも直さず韓国という被害者を愚弄する行為に他ならない。
安倍氏が国の代表者として反省の弁を発せないのであれば、
今度こそ反省を届けられる人物を総理に選ぶべきではないだろうか。


 大阪府高槻市 朝日捏太郎(57) 中学教諭