シオン・グレイジョイは視点人物であり、公式にはベイロン・グレイジョイの世継ぎである。10年前にエダード・スタークによって人質とされ、エダード・スタークを後見人としてウィンターフェルで育てられた。
シオンはスターク家の子らと一緒に育てられ、ともにあらゆる規律を教えられた。スターク家とグレイジョイ家の両世界のはざまで生き、どちらにも完全に属することはない。

ロブ・スタークの親友となり、エダードの刑死後は多くの戦いで彼を支える。
ロブはスターク家とグレイジョイ家の同盟を求めて、シオンを鉄諸島に送り出す。だがグレイジョイ家の親族は、シオンの北部人のような振る舞いを批判し、ロブの提案を拒否する。
ベイロンはシオンを送り出して北部の海岸を襲わせるが、シオンはより大きな手柄を立てて家族からの尊敬を得るため、その命令を無視してウィンターフェルを占領する。

オシャの手引きで城を脱出したブラン・スタークとリコン・スタークを捜索するが見つけられず、シオンは勝利を確固たるものと見せかけるため、農民の子の兄弟を殺して焼き、その死骸がブランとリコンであるとしてウィンターフェルとウェスタロス全土を騙す。
これにより北部人は、〈返り忠のシオン〉(〈変節者のシオン〉)と蔑むことになる。シオンは短期間だけウィンターフェルを占拠したが、援軍の要請は家族に無視されラムジー・スノウに捕われる。

シオンが死んだと思われていた時、生存する証拠としてその皮膚の一部が多くの人々に届けられる。シオンは拷問を受け、皮をはがれ、手足の指を切り取られる。
精神的に追い込まれ、汚物にまみれ、自らを「リーク(くさや)」と名乗らされラムジーの下僕となる。
シオンはラムジーを恐れるあまり、ラムジーを喜ばそうとリークの名にしがみつき、シオン・グレイジョイであることを忘れようとする。本来の自分を思い出させられた時には乱心し、シオンは死んだと主張する。
ラムジーがアリア・スタークと婚約した時、アリアの正体がジェイン・プールであることに気づき、その境遇に同情するが助けることはできない。婚儀の前の数日間、シオンはウィンターフェルをさまよい、
ロブを裏切ったことを後悔して死を願う。婚儀の後、〈古の神々〉に祈り始め、自らの名前がつぶやかれたのを耳にした時、
〈古の神々〉が名前を知っていてくれたと喜ぶ。シオンはジェインの脱出を助け、スタニス・バラシオンのもとに引き出される。