古く日本ではヤマイヌ(狼)に対して「イエイヌ」とも言っていた。英語名 domestic dog は、伝統的な学名 C. familiaris(家族の-犬)を英訳にしたもので、日本では domestic dog の訳語として古来からのイエイヌの語をあてるようになった。

また、広義の「イヌ」は広くイヌ科に属する動物(イエイヌ、オオカミ、コヨーテ、ジャッカル、
キツネ、タヌキ、ヤブイヌ、リカオンなど)の総称でもあるが、日本ではこちらの用法はあまり一般的ではなく、欧文翻訳の際、
イヌ科動物を表す dogs や canine の訳語として当てられるときも「イヌ類」などとしてイエイヌと区別するのが普通である。以下では狭義のイヌ(ヤマイヌなどを除くイエイヌ)についてのみ解説する。

イエイヌは人間の手によって作り出された動物群である。最も古くに家畜化されたと考えられる動物であり、現代でも、ネコ Felis silvestris catus と並んで代表的なペット
またはコンパニオンアニマルとして、広く飼育され、親しまれている。ただし比較されるネコと違って独特の口臭がある。

野生化したものを野犬といい、日本語ではあたかも標準和名であるかのように片仮名で「ノイヌ」と表記されることも多いが、
野犬(やけん)を誤って訓読したため生じた新語であり、分類学上は種や亜種としてイエイヌと区別される存在ではない。

現在[いつ?]、ジャパンケネルクラブ(JKC)では、国際畜犬連盟(FCI)が公認する331犬種を公認し、
そのうち176犬種を登録してスタンダードを定めている。 なお、非公認犬種を含めると約700 - 800の犬種がいるとされている。 また、世界全体では4億匹の犬がいると見