これらはいずれも、論理的に厳密な定義とはいえない。それは、「接線」や「瞬間変化率」について厳密な定義が与えられていないし、またグラフを「限りなく拡大する」ということの意味も定かではないからである。
ごく単純な関数については、上記の説明が微分係数の具体的な値について十分な示唆を与えるのは確かだ。たとえば1次関数 f(x) = Ax + B を考えると、
そのグラフは直線なので、「x = a における接線」もその直線自身であると考えるのが妥当だろう。直線 y = Ax + B の傾きは A だから、