>>349続き)

たとえば、映画『えんとつ町のプペル』のプロモーションとして、もともと全国の映画館をまわって、
映画『えんとつ町のプペル』のストーリーを全部喋るイベントを開催しようとしていたんです。
で、各映画館をおさえて、スケジュールも組んで、「じゃあ、始めるぞ!」となったタイミングで、
コロナが来ちゃって、全部白紙になったんですね。

そこで、どこだけブーブー言おうが、コロナがフッと消えることはないので、
「じゃあ、オンラインに切りけるか?」となって、
白紙になった3日後にはクラウドファンディングを立ち上げて、
そのリターンで「映画の宣伝を兼ねたオンライン講演会」とか、
「それこそストーリーを全部喋る会のオンライン版」を出したんです。

一回の講演会で1万人を超える人が集まって、結果、オフラインで全国を回るよりも
多くの人に届けることができたので、「ああ、これはこれで、良かったね〜」となった。

でも、それって、僕が「クラウドファンディング」という選択肢を持っていたからだし、
オンラインイベントも慣れまくっていたから、「じゃあ、こっちに舵を切ろうか」となったわけで、
そんなものを一切持っていなくて、そんな選択肢があることを知らなかったら、
コロナに全部持っていかれたわけだから、「コロナが憎い」となったと思うんです。

代替案がなければ、奪われちゃうんですね。
だから、奪った人や現象を恨んでしまう。

つまり、「恨み」というのは、知識不足が生んでいる。
物事を知らなければ知らないほど、「恨む確率」が上がっちゃう。
否定ばっかりしている人って、新しい知識を入れていなくて、選択肢が極端に減っているから、
恨む頻度が増えて、恨みに割いている時間が増えちゃう。

健康に気を使って80歳まで長生きしたところで、恨んでいる時間が10年ぐらいあったら、
実質、稼働しているのは70年なわけで、健康に気を使うのなら、それと同じモチベーションで、
ちゃんと知識を入れて、恨む確率を下げた方がいいと思います。

《西野亮廣 番組出演情報》

テレビ東京「クロストークラウンジ」 
【OA日】11/1(日)16:00~17:15

関テレ(フジ系列全国ネット)「華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます」 
【OA日】11/10(火)22:00~22:54