>>642続き)

しかし、大型のショッピングモールができようが、人気の居酒屋チェーンができようが、
商店街の片隅にある【スナック】って、全然、潰れないんです。
なぜなら、スナックに通っている人は、お酒の味やツマミの味といった「サービス」を
買っているわけではなくて、そこにいる「人」とのコミュニケーションを買っているからです。

ビールが他所より100円高かろうが、「畜生、ボッタくりやがって」とか言いながら、
笑ってお金を出すんです。
場合によっちゃ、お店の手伝いとかさせられます(笑)
スナックが掴んでいるのは、「顧客」じゃなくて、「ファン」なんです。

コロナで明らかになったと思うのですが、いろんなお店がSOSのクラウドファンディングをやりましたが、
たとえば、普段利用している近所のコンビニがクラウドファンディングをしたとしても支援しないでしょ?
それは、貴方がそのコンビニの「顧客」であって、「ファン」ではないからです。
受けたサービス以上のお金を払おうとは思わないんですね。
もっというと、そこで職を失うかもしれないコンビニ店員さんの人生に興味がない。

コロナ時代を乗り切るには「ファン」の存在は絶対に無視できないところではあるのですが、
これはコロナ時代だけの問題じゃありません。

現在、こと日本においては人口は減り続けてるじゃないですか?
これまで、サービス提供者は「高品質、低価格」を競ってきたのですが、
それって、人口が多いから成立するモデルで、そもそもの人口が減っちゃっている中
「低価格」競争をしてしまうと、いずれ立ち行かなくなってしまうんですね。
もう「薄利多売」の時代じゃないんです。

「いかに、価格を上がるか?」…言いかえると、
「いかにブランドになるか?」「いかにファンを作るか?」という勝負になってくる。

これは未来予想とかじゃなくて、確実に来る未来の話です。
ていうか、もう来ています。

「ファンを作る」って、これまでは芸人とかアーティストだけの話かと思っていましたが、どうやら、
これからは、家具屋さんも、美容室も、八百屋さんも、サービス提供者全員の課題になってきた。