●2009/06/05
数年前に六本木のベルファーレというとこで少し大きめの単独ライブをやった
翌日が音楽戦士の収録で、ライブを観に来ていたスタッフさん達と楽屋で
ペチャクチャ喋っていて、その中でボクが「早く次やりたい」と言ったら、
梶原が「少しぐらい休もうよ」と真剣に言って、その一言でコンビを
解散しようと思ったのです。

1人のスタッフさんが、ボクの顔色が瞬時にして変わったのに気がつき、
「西野、ロビーにジュース買いに行こう」とボクの手を引っ張って
ロビーに連れ出すというファインプレーがなければ解散していた。
ロビーにて「どうしたの?」と聞かれたから、「解散するんです」
という事を伝えたら、「たったの一言で?」と言われた。
その時は、こんな奴とお笑いができるか、と思った。

真剣に止められて、ボクも思いとどまったものの、
そこからコンビで単独ライブをする気がすっかり失せて、
単独ライブ再開まで2年〜3年の期間が空いた。
ボクが個人の活動を本格的に始めたのはそれがキッカケ。

まぁ、今、コンビで毎月単独ライブをやっているということは、
別にボクが大人になったわけではなくて、梶原がそんな言葉を言わなくなったから。
あの時、「たったの一言で?」と驚かれたけれど、
「たった一言、されど一言」で、やはりその言葉が
口から出てくるということは、根源にある思想に問題があって、
例えば単独ライブの準備はバカみたいにしんどいし、
「終わったらゆっくりしたい」と思いながら作業するけれど、
笑い声が起こってゴールテープを切った瞬間には全てが報われて、
「早く次をやりたい」と思えてなきゃ、「お笑いが好きだ」なんて嘘っぱちだ。
ただの仕事になってしまっている。

ナイスバディーでブリブリのお姉さんが自分のベットで
裸で寝っ転がっていたら、猛スピードでパンツを脱いで
セックスを始めようとする気持ち。
お笑いに対してそうでないのは、やっぱり寂しい。

本音を言えばボクは、ボクの目の前からそんな人はいなくなってほしいけど、
だけどそんな人の助けもなければ今のところ仕事を成立させられていないのも事実で、
もっと強くなりたい。そしてもっと環境を整えたい。
偉くなったら、そんな人達ばかりで仕事ができる環境を作れるのかな?
お笑いが好きで好きでたまらなくて、お笑いを裏切らない人達ばかりに
囲まれることができるのかな?悔しいな、畜生。
やるっきゃないね。やるっきゃない。