ゲーム廃人な俺の今まであった事を書くスレ
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需要とか考えないで単に書きたいから書いていきます
拙い文章ですがお付き合いください
俺 当時13歳
親に今までのお年玉を差し出すと頼み込んで初の自分専用PCを手に入れた。
PCが欲しかった理由は当時自分用にPCを持ってるってだけで「なんかかっこいいじゃん」って漠然とした頭の悪い考えだった。
買ってもらったのは一般的な事務に使われるデスクトップPC、値段は本体3万円、モニター1.5万円くらいのもの
お世辞にもスペックが良いとは言えない、なんならウイルスまみれで「PCのリフレッシュが必要です」と言ったポップアップが常に画面上に3つほど出ている様な粗悪品だった。
当時の俺はとりあえずゲームをしようと無料で遊べるゲームを探した
AVAというFPSゲームが当時のフリーゲームランキング一位だったのでやってみる事にした。 その日の放課後、教室から近いこともあり体育館前にひと足先に着いた俺はMが来るのを待っていた。
少ししてMが高身長の男子生徒とやって来た
M「お待たせ〜、彼○○(俺の名前)!不登校気味の悪い奴!」
俺「語弊がある言い方やめろ…」
M「で、こっちがののっぽ!バレー部のエース!」
ののっぽ「どうもNって言います。みんなからあだ名でののっぽって言われてます。」
俺「あ、どうも」
M「うちの彼氏やねん!」
俺「そうなんすね」
の「違います。ただの幼馴染です。」
俺「なんか…うん、大変だね」
の「分かってくれますか…」
M「何が大変なん?」
俺、の「いや、何も」
M「いや、ハモんなってw」
ハモリ気味になった事で3人ともゲラゲラ笑ってた
彼とは気が合うかもしれないと思った
の「じゃあ部活の準備あるんでこれで」
M「おっけー、後でグループ入れとく〜」
そう言ってMはケータイを取り出し、俺のLINEのQRコードを読み取った。
M「じゃあうちも部活の準備あるから、またね!」
俺「うん、また」
久々にリア友が増えた
その夜、MとNのLINE通知で帰宅してから仮眠していた俺は目が覚めた。 内容は今週末の日曜日に
3人で遊びに行こうという計画だった。
高校に上がってからの俺はゲームで虚無感を紛らわす毎日だったので小、中学生の頃の友人とも疎遠になっていた。
こんな形で友達が出来たことが素直に嬉しかった。
俺はすぐにLINEに返事をして会話に加わった。
それから計画もひと段落したので俺は風呂に入ると伝えて
風呂に入った。
思えば最初の異変はここからだった。
湯船に浸かっている時だった。
元カノの声が聞こえる。
「幸せそうだね。」
「羨ましい」
「私は辛いのに」
「なんであなたは幸せそうなの」
「許せない」
そんな声が囁くように聞こえる
久々の学校で疲れたのか。
そう思っていた。 それから数日が経ち、約束していた日になった。
俺は結構山奥に住んでいて
学校とは少し距離があった。
MやNは繁華街寄りの地域に住んでいるので俺が出向くことに。
約束した時間の10分ほど前に指定の場所に到着すると既に2人とも来ていた。
M「おはよ〜」
の「おはよう」
俺「おはよ」
私服姿のMはダンサーみたいな服装だった。明るい黄色のシャツにダメージジーンズ
まぁ予想は出来た
問題はNだ。
彼の服装はアキバのメイドカフェで萌え萌えきゅんしてそうな服装だった。
決してダサいとは言わない。
萌え萌えきゅんしてそうだな
そう思っただけ。
M「こいつめっちゃダサいでしょwww」
俺「そう?(アキバに居たら)普通だと思うよ」
Nはそんな会話中にシャツをinし始めた
M「やめてwwwinしないでwww」
N「別に良いじゃん、ね?○○君」
俺「うん、別に普通やけどな」
ちなみにNは結構イケメンだ。
佐藤健を短髪にした感じ
N「ほら!普通やって!Mはすぐ人をバカにする」
M「ええやんw個性的でwでも○○も相当やでw」
俺「服これしかないんだよ」
MOTHER Earth (母なる大地)
とロゴの入った地味なTシャツ
M「環境保護団体のボランティアの方がいらしたぞwww」
N「…っwww」
この流れで俺の服を選んでくれると言うことになってオシャレな服屋さんに入ることになった。 少し歩いたところで色々なジャンルの衣類が置いてある店に入ることにした。
中に入ってめぼしい商品を探す。
そうしているとMが「これ着てみて!」と
シンプルな白いシャツに黒の羽織物を持って来た。
着てみると個人的に地味だとは思ったが無難
Mは「いいね!環境保護団体よりはマシw」
と言うのでこれにするかと購入、合わせて3500円くらいだった。
一方Nは「これカッコよく無い?」とNIKEのもじりで生意気と中指を立てたイラストが書いてある攻めたデザインのTシャツとadidasならぬazidesと書いたアジのイラストが入ったTシャツを持って来た。
正直アジデスTシャツは俺も欲しいって思った
Mは「想像の斜め上に行くセンスw」と馬鹿にしていた
俺は「中指はちょっと攻めてんなぁw」
と結局彼は何も買わずに店を出た
N「良いと思ったんだけどなぁ…」
M「ののっぽは無難にマネキンの服買った方がいいよw」
N「そっか…」
かれこれ30分ほど服屋で時間を潰した。
それから予定通り映画を見に行った。
Mが洋画好きでジョン・ウィックが見たいと言ってて
Nもアクションなら見る、と行くことになった
俺はめちゃくちゃ好きなジャンルの映画だった。
映画を見終わり、昼ご飯をマックで食べていた。
映画の感想を話したり2人の昔話を聞いた
いつも2人一緒に居て親同士も仲が良いらしい
付き合っていないのが不思議なくらいだった。
何となく会話が空いたので
俺「2人は彼氏とか彼女いるの?」って聞いてみた
N「居るよ」
M「今はいなーい」
俺「ののっぽは居るんだ、どんな人なん?」
N「中学の頃の先輩、高校は別だけど写真見る?」
美男美女だ。だが服が相変わらずチェック柄だ。
M「良いなぁ…うちも付き合いたい〜アオハルしたい〜」
N「○○(俺)は居るん?」
俺「いや、少し前に別れたんだ」
N「そっかぁ。悪い事聞いたね」
俺「全然、過ぎた話だし」
M「次の彼女探さんとな!」
俺「ん〜、今はいいかな」
彼女を作っても上手くいく気がしなかった。
元カノに対して未練も少しあった様に思う。
M「え〜、女の事は女で塗り替えるもんだよ!」
N「Mは風紀委員によくなれたなって思うよ、どちらかと言うと乱す側じゃんw」
俺「同感」
1時間ほどマックにいて、そろそろゲーセンに行こうかとなった。 ゲーセンでは3人組だとレース系のゲーム以外にコインゲームくらいしか遊べる物が無かった。
レース系のゲームはほとんどやった事が無く、クラッシュしまくってずっと3人中最下位だった。
俺「運転の才能無いんかなw」
M「まぁゲームやし大丈夫やろ」
N「そうだよ、気にしない気にしない」
そう言って2人は励ましてくれた。
コインゲームは普通に遊んで気が付けば日が暮れていたので駅前で解散することになった。
俺「じゃあ俺はここで」
M.N「またね」
M「学校ちゃんとくるんやぞ〜」
N「まぁ無理しないようにね」
Nは俺が病気で学校へ来れていないと思っているらしい
俺「まぁ、気が向いたら行くよ。また学校で」
以前よりは学校に行く気が湧いた。
別にいじめられている訳では無かったし、行きたく無い理由がある訳でも無かった。
ただゲームに時間を割きたい、それだけだった。
けれどゲームにも寿命がある。
俺はいつもゲームをやるメンツと色々なゲームを転々とする様になっていた。
日に日にメンツも減って行く。自分の好きなゲームのグループに身を置いて行くからだ。
残ったのは地元が一緒で気の合う仲間だけとなった。 減って行く交友関係、けれど別に深い付き合いが出来ていたら人数はさして気にならなかった。
後々そんなに話した事もない人の結婚式などのイベントに呼ばれる煩わしさを考えるとそこまで知り合いは多くなくてもいいやって個人的に思うようになっていた。
それに元カノの一件のように本当に大事な人に手が回らなくなるような事を避けたかった。
季節は春、俺は高2になんとか進級できた。
前回のMとNと遊んだ後から徐々に出席日数を増やして行ったおかげで留年は避けられた。
アルバイト代で新たなPCも購入した。
冒頭で購入したPCは使い始めて1年で電源がお釈迦になったので親戚から新たなPCを貰って使っていたが、最近のゲームをするにはスペック不足だったので買い換えたのだ。
MとNとは月に2回ほど3人で遊びに行っていた。
ある日、同学科の生徒から嫌がらせを受けた。
俺の机に教室の後ろにあった花瓶を置いた奴が居た。
誰かは分からないが「くだらない」そう思った
あえて俺は花瓶をそのままにしていた。
隣の席の子が「どうしたの?それ」と聞いてきた
俺は「来たら置いてあった、誰かのイタズラだよ」と答えると
「え、まじか酷いね」と言った。
俺はある事を思いつき、その机を写真に収めた
隣の子は不思議そうに見ていた。
この写真をMに送って「俺死んでたっぽい」
とメールを送信した。
まだ朝礼まで15分くらい時間に余裕があった。
メールを送信してからすぐに「どういう事?」と返信が返ってきたので経緯を説明すると「ちょっと待ってて」と言われた。
待ってる間に何人かに花瓶について聞かれたが「来たら置かれてた」って答えていた
それからそろそろ朝礼が始まるという頃、Mが教育指導の先生を連れて俺の教室に来た。
まず先生が教室に入るなり「お前ら全員一旦座れ!」と声を上げた
Mが俺のところへ来て「先生呼んどいた、○○大丈夫?ほかに何かされてない?」と聞かれたがこれだけだと答えた。
M「そっか、またなんかあったら言って。うち朝礼あるから教室戻るね」
とMは先生に何かを伝えて教室に戻って行った それから担任教師も朝礼のため教室に入ってきた。
ちなみにだが担任は1年の時と同じ担任教師だった。
教室が静まり返る中、教師2人で経緯などを話していた
それからまず担任が「先生は悲しいです、このクラスに誰かを虐めるような生徒がいた事がとても残念で腹立たしい。この中で僕がやりました、私がやりましたって人いたら手を挙げて欲しい」
みんな周りを見渡すが手が挙がる様子はない
次に生徒指導「虐めは立派な犯罪や、高校生にもなってやったらあかん事もわからん阿呆が居る。今日1番早く教室来た奴誰や!」
少し間があってゆっくりと右斜め前の子が手を上げた
「…はい」
生徒指導「お前来た時にはあったんか?」
右前くん「はい、ありました。」
と犯人探しが始まった。
それから1限目の別科目の教師も混ざり教卓に3人の教師が並ぶ異様な光景となった。
後に知るが担任教師の受け持つ授業は自習となったらしい
一方被害者である俺は犯人がわかれば憂さ晴らしができるので何とも思ってなかった、なんなら俺だけ白の状況でみんなで人狼大会やってて誰が狼なんだろうってちょっと楽しんでた 少しして生徒指導が「昨日の日直誰や」と聞く
クラスの1人が「Aです」と言った。
教室の鍵は放課後、日直が閉めて職員室に戻す事があった。
たまに授業終わりの教師が閉める事もあったが疑いの目は前者の方向でAに向いた。
生徒指導「お前やったんか?」
A「…違います」
生徒指導「じゃあお前か」と今日1番早く教室に来た生徒に改めて聞く
早い子「違います、僕はB君と一緒に教室来たんで間違い無いです」
B「来た時にはありました」
再度Aに矛先が向く、クラス中の生徒がAに冷たい視線を送っている
今にも笑い出しそうな俺
生徒指導「ほなお前しかおらんやんけ」
A「…すみません」とAがやっと認めた
クラス中から「ひでぇ…」「最低」「お前が氏んだらええのに」と罵詈雑言が聞こえた
「お前が氏んだらええのに」はさすがにちょっと言い過ぎちゃう?wと思った
ちなみに、Aは個人的に嫌悪感を抱いていた人物だ。
簡単に表すならムードメーカー気取りのムードブレイカーだろうか、言葉は交わさずとも自分に敵意をもっている。そんな印象だった。
騒ぎ出したクラスを生徒指導が「静かに、そしたら今回嫌な思いをさせた○○(俺)と疑われたS(早い子)に謝れ」
A「嫌な思いさせてごめんなさい」と平謝り
なぜかいざ謝られるとイラッとした
それからその日の放課後に俺とAは職員室に来る様にと言われた
1限ももう残り15分ほどだったので1限の教師が残り時間は自習しましょうと1限は終わった。
休憩中Mから着信が来た
M「大丈夫やった?犯人分かったん?」
俺「うん、分かったよ」
M「そっか、解決したんやね」
俺「うん、ありがとね。さすがMやわ、やる時はやる奴や」
M「風紀委員やからね!うちも前にいじめられた事があって無くしたいって思ってなったんやもん」
俺「そうなんや。助かったよ、ほんとありがとうな」
M「うん!、また何かあったら気軽に声かけてや〜、ほなまた放課後な!」
またね、と言って通話を終えた。 放課後
Mに俺が放課後、職員室に呼ばれていた事を電話の後伝えていた為か職員室前にMが居た。
俺「どうしたん?なんか用事?」
M「いや、職員室に放課後行くって言ってたから」
俺「え、部活は?」
M「今日は休んだ」
俺「いや、勘違いしてたらごめん。別にMに来てって意味じゃ無かったんやけど」
M「うん、わかってる。でも折角学校来てくれたのにこんな事あってもう来てくれないんじゃないかなって…」
俺「えwなに寂しいの〜?w」
M「…もう知らん!」
踵を返してその場を去るMを横目に俺は職員室のドアを叩いた
Mには後で謝ろうって思った。
生徒指導教員を呼ぶと別室へ案内された。
そこでAが担任と先に何やら話していた。
生徒指導「先生、(俺)君きました。」
担任「おぉ、すまんな○○(俺)。今日はごめんな、先生の指導不足や」
俺「いえいえ、そんな…」
担任「Aも反省しとるみたいや、な、A」
優しい口調で担任はAに問いかけた。
A「…はい、ごめんなさい」
彼は半泣き状態だった、そんな彼を見てただただ哀れだなと思った
俺「いいですよw俺怒ってないですから(さっきは謝り方にイラっとしたけど)」
担任「もうこんな事せんな?」とAへ問いかける
A「はい…しません」
それからはなんでこんな事をしたか経緯を聞いた
殆ど学校に来ていない俺が他学科のMと仲良くしているのが気に食わなかったそうだ。
AがMに気があるのかまでは担任も深く聞かなかったので定かではないが、Mは確かにモテそうだなと思う
みんなに気配りができる八方美人な性格で割と可愛い、女性タレントに疎いので例えにくいが誰が見ても可愛いって言うと思う
経緯を聞いて腑に落ちはしたがまさかMの名前が出ると思ってなかった俺は少し驚いた。このことはMに伝えない方が良いなと思った。
一通り弁明は済んで先に俺は帰された。
ケータイを見るとMから「校門前の自販機横のベンチで待ってる」とメールが来ていた、今から行くとだけメールで送って足早に向かった。 自販機で座ってスマホを見ているMに声をかける
「お待たせ、さっきはごめん」と俺
M「うん、それはええけど。ほんまに大丈夫なん?」
俺「まぁとりあえず今後はないと思う」
M「違う、○○(俺)は本当に辛くないん?って意味」
俺「辛い?俺そんな辛そうに見えた?」
M「逆だよ、全然辛くなさそうに笑ってる。無理してない?」
神妙な面持ちでMは聞いてきた
俺「気にし過ぎだよ、大丈夫」と笑った
M「…普通はそんなの平気で居れんよ。」とMの声は震えていた
俺「俺は平気だよ」
M「うちやったらきっとその机を見た途端泣きながら家に帰っちゃうよ、教室にいる子が誰もその花瓶を動かしてくれなかったって思ったらもう学校に行きたくなくなるよ。」
感受性豊かだなぁって感心した、他人を自分に置き換えて物事を考える事はなかなかできる物ではない。少なくとも俺には出来ない。できなかった。
俺「俺はそんなに他人に期待してないからね」
Mは少し言葉に詰まった、俺は自販機に向かい「何飲む?」と聞いたがMは「大丈夫」と言った。
けれど俺はお茶を2本買い1本をMへ手渡す
俺「はい」
M「大丈夫って言ったじゃん」
少し迷惑そうだった。
俺「巻き込んだお詫びだよ、ほら」
M「…ありがと、頂きます。」
手渡したお茶をお互い一口飲んだ。
俺「お詫びも済んだし、帰るかな」
M「そうやね、またちゃんと学校き…これそう?」
Mはきっとちゃんと学校″来て″と言いかけて″来れそう?″に訂正したんだと思う。彼女なりの優しさなのだろう
俺「気が向いたらね」
そう言うといつものように「ちゃんと来なよ」とは返って来なかった。 反応無かったから飽きて止めてしまったかな
続き気になるだけに戻ってきてほしいなぁ なるほどな…
今ではすっかり白馴染んだ髪やヒゲのまま、馴染みのバーで馴染みのブルースを聴きながら死んでいった戦友を思い出し愛銃を磨きながらスコッチを飲む日々、という訳か… 気が付けば夏休みになった。
俺は高校に入ってからは帰宅部だった
一方MとNはほぼ毎日部活漬けで時間が腐るほど余るので短期バイトを始めた。
その他の時間はほとんどをゲームに費やした。
その頃流行っていたのはOWというゲーム、最近OW2がリリースされたがその前作にあたる。
当時ポップなキャラデザに惹かれて女性ゲーマー人口が多くなった為なのか、ネット上の身内の三分の一が女性という異例の事態となった。
やはり男女でゲームをやっていると普通に会って遊ぶよりも仲良くなりやすいのだろう、身内にいる女性が全員彼氏持ちとなった。
勿論、全員が身内同士でくっついたわけではないが2組ほどのカップルが誕生した。
一方カップルになれなかった身内で売れ残り組で仲良くしようなとなった。
ゲームと彼女、どっちを選ぶ?と言われたら迷わずゲームを取る俺は無論後者だ
″彼女?居るよ、ゲームさ。″
そう身内との会話で放った一言は名迷言として語り継がれた。 お、久々に開いたら書けた
なんか謎のエラーで書けなかったんよな 夏休みに入ってからと言うものリア友であるNとMは
絶賛、青春を謳歌している。部活に勤しむ2人は俺からすると
眩しくて自分から連絡を取るのを控えていた。
旅館の短期バイトとゲーム漬けの毎日だった。
気が付けば俺はリア友とも疎遠となり、ゲームも一緒にプレイする人達は社会人というのもあって1人の時間が多くなった。
人間退屈だと感じると寂しさも込み上げてくる。
それを紛らわすように空いた時間をゲームに注ぎ込んだ。
それから夏休み終盤にMからメールがメールが来た。
M「○○は進路どうするの?」
初めて俺はMのメールを既読無視した。 淡々と時間だけが過ぎていく。
自分のやりたい事もわからない。周りは適当な大学に行く子もいれば就職を希望する子もいた。
1年の頃に戻って同じ日々を過ごせたらいいなと思っていた。
そんなこんなで冬休みも明けたある日、登校中にMからメールが来た。
M「校門前で待ってるから少しだけ時間ちょうだい」
朝から呼び出されるなんて珍しい、何かあったのかなと思った。
校門前へ行くとMが立っていた。
M「おはよ!これ渡したかったから」
カバンから手のひらサイズの四角い箱を取り出した。
その赤い箱に可愛らしいリボンが巻いてあった。
俺「…あ、今日バレンタインか」
M「そうそう、早めに食べてね」
俺「分かった、ありがとう」
M「じゃあまたね!」
突然のチョコに結構戸惑ってて義理かどうかも聞く前にMは校舎へ足早に向かった。
俺は自分の席に着いて、開けてみた。
前の席の女子から「あ、チョコ貰ってる〜、本命?」
俺「いや、分からん。聞きそびれた」
女子「じゃあ本命なんじゃない?義理なら義理ってちゃんと言うよ!」
俺「そんなもんなのかな?」
Mは良き友人だ、友達としてのチョコに決まってるそう思っていた。
箱を開けると上蓋から折り畳まれたメッセージカードが出てきた。
女子「おー!ラブレターじゃないの?」
俺「まさかw」
カードをめくった。
「○○へ、いつもの感謝を込めて手作りで作ってみたよ!口に合うか分からないけど食べて欲しいな!また感想聞かせて!Mより」
手書きの丸文字でそう書かれていた。
女子「なんて書いてたの?」
俺「食べた感想聞かせてだって」
女子「なんだラブレターじゃないのか〜、残念だったね」
俺「そうだね」
興味を失ったその子はすぐに前を向いた。 肝心のチョコはハート型のいたって普通のチョコだった。プラスチックの容器を開けて一口食べる。
大袈裟と思うかもしれないがお世辞抜きにうまかった。
そしてすぐに食べ切ってしまった。
ただこんなに凝ったチョコを貰ったことが無かったので箱とメッセージカードの処分をどうしようか、捨ててしまって良いんだろうか?と思ったがなんと無く捨てちゃいけない気がした。
今はとりあえずカバンにしまっておくことにした。
それから放課後、Mに会いに行った。
俺「チョコありがとう、今まで食べたお菓子で1番おいしかったよ」
M「マジかw嬉しい!頑張って作った甲斐があったわ」
俺に時間や労力を使ってくれた事が嬉しかった。
俺「所でこれって何チョコ?」
M「どっちやと思う?」
俺「んー…義理?」
M「義理チョコにそんな手の込んだ事すると思う?」
俺はMくらい仲良ければする事もあるだろうなんて思った。
嫌な予感がした。 俺「…マジの奴?」
M「うん、マジ。」
血の気が引いた。後で知ったが好意恐怖症というのがあるらしい。最近では蛙化現象?って奴の上位互換なのかな
Mから向けられた好意が恋人としてとなると一気におぞましく、恐ろしくなった。
俺「ごめん、ちょっと考えさせて」
M「え…うん…わかった」
俺「本当にごめん…」
Mはとても暗い表情になった。
そんな顔をさせてしまったと心底申し訳なく思った。
M「じゃあ、部活あるから…またね。」
今まででこんなに元気のないMを見た事がなかった。
自分の足の感覚が遠い。
居ても立っても居られない、そんな感覚
俺は家に帰ってからもMの暗い表情が頭から離れなかった。
それと同時に、素直にその好意を嬉しいと思えない自分に心底苛立ってもいた。 考えさせてとは言ったもののどうすればいいかわからない。
ジレンマに陥ったようなものだ。
もし付き合う事になっても俺はちゃんと向き合えないし
断っても今までの関係を続けれるとは思えない。
色々考えた末に別に告白された訳じゃなく単にチョコをもらったそれだけじゃないか。
そう思い、チョコの空き箱をゴミ箱に放った。
次の日、登校すると最寄り駅のホームから出たところでMが立っていた。
足早にMが近寄ってきて、おはようと挨拶を交わす
M「今日寒いなぁ」なんて普段と変わらず接してくるM
どこかホッとした俺はいつも通り接していた。
心のどこかでこのまま有耶無耶にできれば、なんて考えていたんだと思う。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています