浜松の建築士事務所、ヤドカリ方式で空き家を再生
現場から地方創生 


2020/2/18 2:00日本経済新聞 電子版

浜松市内の建築士事務所リージョン・スタディーズが新たな手法で地域の空き家の再生に取り組んでいる。その名は「ヤドカリプロジェクト」。空き家を買って改修し、一定期間、移り住む。その後、売却して別の空き家に移住する。ヤドカリのように次々、住み替え、空き家もどんどん再生させていく。社会問題となっている地域の空き家問題に挑戦する。

2019年末、浜松市中区の木造2階建ての空き家で、1階の床と天井の解体工事が進められていた。同物件はヤドカリプロジェクトの第2弾。延べ床面積は約100平方メートル。1階は5月に改修を終え、リージョン・スタディーズの事務所として使う。2階は順次改修し、飲食や福祉系などの事業者に貸し出す。5月には改修を終える計画だ。

同プロジェクトの一般的な仕組みはこうだ。空き家を購入。建物を骨組みの状態まで解体して仕上げ直す手法を採用して改修し、骨組みの腐朽などの懸念を払拭する。長期に住み続けられる「長期優良住宅」の認定などを受け、高く売れる住宅に生まれ変わらせる。その後転売し、別の空き家を買って改修する。これを繰り返し、空き家を次々と再生していくものだ。

同プロジェクトの第1弾となる一軒目は、同じ中区にあった木造平屋建ての空き家。同物件を買って18年に改修を終え、現在は自宅兼事務所として使っている。しかし、自身の家庭にも子供が生まれ、ライフステージが変化。広い家を求め、転売を決めた。

「家族が増えてライフステージが変われば必要な間取りも変わる。ヤドカリプロジェクトであれば持ち家でライフステージの変化に柔軟に対応できる」。リージョン・スタディーズの白坂隆之介代表は話す。

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