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 ベストセラーになった「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」(2013年、三才ブックス)にも紹介された「角島(つのしま)大橋」(山口県)。橋の近くにある「ホテル西長門リゾート」の総支配人で、地元観光協会会長の庄司隆治さんは「白い砂浜と一面に広がるコバルトブルーの海。橋から見えるこの景色をぜひ見に来てほしい」と力を込める。


 全長1780メートルの橋は、山口県下関市の北西部に浮かぶ角島(3・8平方キロ)と対岸の同市豊北町神田を結ぶ。本土と離島をつなぐ無料の橋としては、全国屈指の長さを誇る。

 橋が架かる前は、荒天で渡船が欠航すると急病人の搬送などに支障が出ていた。島民からの要望を受けて、県が1993年9月に着工。建設費は132億円で、2000年11月に完成した。橋の下を漁船が航行できるように、道路部分の一部を高くする一方で、海上の小島を迂回(うかい)するルートにするなど景観に配慮した設計が評価され、03年度の土木学会デザイン賞で優秀賞を受賞した。

 自動車のCMや映画、ドラマのロケ地として知名度を高め、旅行サイト・トリップアドバイザーの「口コミで選ぶ日本の橋ランキング2015」でも1位を獲得した。橋がある下関市豊北エリアの昨年の観光客数は、橋ができる前年の5倍となる100万人を突破。橋を駆け抜ける毎年恒例のマラソン大会も県内外のランナーでにぎわっている。

 庄司さんは「この地域には景色だけではなく、新鮮な海の幸や歴史などたくさんの魅力がある。将来的には観光ガイドを養成し、角島のことをもっと多くの人に知ってもらいたい」とアピールする。(網本健二郎)
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190812-OYT1T50118/