三世茂山千之丞さんの襲名披露のために制作した装束を前に語る山本太郎さん(京都市左京区丸太町通川端東入ル・イムラアートギャラリー)
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 昨年12月に襲名披露を行った狂言師三世茂山千之丞さん(35)の装束を手掛けた「ニッポン画家」山本太郎さん(44)=京都市北区=の個展が、左京区のイムラアートギャラリーで開かれている。現代日本を象徴するようなポップな図柄をちりばめた装束が公開され、来場者が間近に楽しんでいる。

 山本さんは熊本県出身で、京都造形芸術大で学んだ。アニメや商品のキャラクターをパロディー的に使い、琳派など日本画の古典様式を借りて表現している。茂山家は代々、日本画家に舞台装束の作画を依頼する習わしがあり、山本さんは親交のある千之丞さんから頼まれた。

 大曲「花子」に使われた装束は、短冊型や四角い形の余白に絵画作品で描いてきた紅白の流水紋や星条旗風の幕などの図柄をちりばめている。中には、千之丞さんの私用の帽子や眼鏡も潜ませる遊び心も。伝統芸能の衣装に思えない斬新さだ。

 図案を絵にした新作の小品10点のほか、扇も展示する。山本さんは「舞台では見えなかった絵を、じっくり見てほしい」と話す。

 2月16日まで。2月8〜12日は東京公演のため、装束は展示されない。日、月曜休廊。無料。

京都新聞 2019年01月23日 09時19分
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