2019年1月10日
 全国の母親らに子育て情報を届け、読者が悩みを共有する場にもなっている月刊「お母さん業界新聞」が来月、三十年目を迎える。発行するトランタンネットワーク新聞社(横浜市神奈川区)の藤本裕子社長(62)は「女性活躍と盛んにいわれるが、お母さんであることだけで素晴らしいと伝えていきたい」と思いを新たにしている。 (志村彰太)
 藤本さんは一九九〇年二月、「三十代女性がすてきに過ごせるように」との考えから、フランス語で「三十歳」を意味する単語を付けた「トランタン新聞」(A4判十六ページ)を創刊した。二〇〇八年に現在の名称になり、タブロイド判八ページに変更。発行部数は当初の五百部から十三万部に増えた。
 「『自分らしく生きたい』という心の叫びを表現したかった」。藤本さんは創刊の動機をこう振り返る。結婚後、通信制大学で経済学を学びながら三人の娘を育てた。子育てが落ち着いて働こうにも、当時、三人の子持ちの女性に就職先はない。自己実現の場を探して行きついたのが母親の思い、価値観を発信する新聞の発行だった。
 紙面は、七人の社員とボランティアが取材・執筆する「輝く女性とは」「選挙で母親の声を届けよう」といった特集記事、読者インタビュー、投稿で構成。全国の母親が集まるファッションショーを開くなど催しにも力を入れる。
 二十五年、購読を続けている仙台市若林区の主婦佐藤るみさん(59)は「子育てで家に閉じこもっている時にこの新聞を見つけた。記事を読み、イベントに参加すると社会とつながっている実感が持てる」と話す。
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全文は下記URLで
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201901/CK2019011002000161.html