競りの再開を前に、食肉の状態をチェックする仲買業者ら=大阪市住之江区の市中央卸売市場南港市場で2018年9月13日午前9時7分、幾島健太郎撮影
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 台風21号による停電被害などで、5日から休場となっていた西日本最大の食肉市場、大阪市中央卸売市場南港市場(住之江区)が13日再開し、9日ぶりに競りが行われた。場内の下見場では、白衣姿の仲買業者らが厳しいまなざしで枝肉をチェックしていた。

 年間で牛約2万2000頭、豚5万4000頭の食肉解体を請け負っており、昨年の取扱高は約233億円。東京都中央卸売市場食肉市場に次ぐ全国2位の実績で、南港市場の卸売価格が関西圏を中心に西日本の食肉取引の指標となっている。

 同市場によると、自然災害での休場は1984年の移設開場以来初めて。今回の台風では、4日から6日にかけて停電が発生。冷蔵設備が使えなくなり、業者が肉を引き取って小売りなどに回したほか、強風で飛ばされた資材で窓ガラスが割れた。電気の復旧後も安全な食肉供給のため、職員らが設備の点検や衛生管理に追われた。

 休場中、業者は神戸市や京都市など近隣の市場を利用して急場をしのいだといい、ある卸売業者は「これ以上長引くと、市場離れを起こす懸念があった。再開できてよかった」と胸をなで下ろした。【真野敏幸】

毎日新聞 2018年9月13日 11時14分(最終更新 9月13日 11時32分)
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