「私があのバーに通うようになったのは、河原町でスカウトマンにナンパされたことがキッカケでした。声をかけてきた人も京都市内の大学生で、
めっちゃイケメンで。『もっと話がしたいから、祇園にある俺のバイト先のバーに来ない?』って誘われました。最初は料金も2時間5000円くらいで、
安いなと思ったんです。でも、通っているうちにだんだん感覚が麻痺(まひ)してきて。声をかけてきたスカウトマンに夢中になるあまり、
300万円以上をバーにツケている状態になりました。最終的には『稼ぎのいい仕事を紹介するから』と風俗を斡旋(あっせん)されて
気付いたときには遅かったんです」自身の経営するバーに若い女性を連れ込んで数百万円の負債を抱えさせ、
返済のために風俗店に沈める。悪質な色恋営業で女子大生ら260人以上を売り飛ばした岸井容疑者がリーダーとなって活動していたこのスカウトグループは、
普段、河原町や京都駅などを拠点にしていました。メンバーは市内の大学生を中心に、約20人。もともとはスカウト業をメインにしていましたが、
ここ数年はバーの営業にも力を入れていた。彼らは街でひっかけた女子大生を自分たちの店に誘い出すため、
グループ内で作られたマニュアルを利用していました。マニュアルには仕事やお金、恋や健康に悩んでいる女性をパターン分けして、
詳細な口説き方が指南されている。グループのメンバーはそのマニュアルを覚え込むことが徹底されていたようです」
グループのメンバーはまさにイケメン揃い。なかには府内のエリート大学生も名を連ねていたという。「私が店に通っているときには、
同志社、立命館の現役学生も働いていました。みんなルックスがいいだけじゃなく、頭もいいし話も上手い。
『この人は私のことを分かってくれてるんだ』と入れ込んでしまい、周りが見えなくなるんです。店に出入りしている女の子はギャル系じゃなくて、
地味なタイプが多かったですね。被害に遭った子の中には、SNSを通して店から“追い込み“をかけられた人もいます。
実家や大学にまで取り立てに来られた子もいるようです」捜査関係者によると「まだまだ氷山の一角。余罪や他の逮捕者が出てくる可能性が高い」という。