約30年前に広島で開かれたアニメーションイベントで、国内外の作家が描いた手動の動画装置
「驚き盤」が、近く京都市中京区のおもちゃ映画ミュージアムで映像として放映される。
中には故手塚治虫さんによるアトムのほか、スヌーピーが描かれた作品も。

今年は国産アニメ誕生から100年にあたり、
ミュージアムは「貴重な資料。アニメーションの原点を知ってほしい」としている。

驚き盤とは1830年代にヨーロッパで考案された円盤の玩具。
円盤の周囲に少しずつ変化した絵を描き、鏡に映して回転させて、
絵と絵の間に刻んだ隙間からのぞくと、残像で絵が動いて見える仕組み。
アニメーションの原理にもつながる。

驚き盤は、1985年に被爆40周年を機に開かれた
「第1回広島国際アニメーションフェスティバル」のワークショップで
国内外の作家や一般の人が参加して制作された。
フェスティバルに関わった京都市内の女性が保管しており、ミュージアムが預かった。

直径18〜19センチの作品が77枚あり、
日本アニメーション協会会長の古川タクさんが見たところ、
著名な作家30人の作品31枚が含まれているという。

手塚さんの作品は鉄腕アトムとウランが描かれて、サイン付き。
ただ周囲に絵は描かれていないため、動画として見ることができない。

ほかにもTVアニメ「ピーナッツ」や「トムとジェリー」で活躍した作家は、
スヌーピーが跳びはねているような作品を描き、中央には「HIROSHIMA85」と明記。

トキワ荘の住人で、ラーメン好きの「小池さん」のモデルで知られる
杉並アニメーションミュージアム館長の鈴木伸一さんは、
紙飛行機がチョウに変化して舞う様子を描いている。

太田米男館長(68)は
「広島で初めて開かれたフェスティバルに
 多くのアニメーターたちが集まった熱気を感じ取ることができる。
 アニメーションの歴史を知る機会にしてほしい」と語る。

ミュージアムでは近く、驚き盤をコマ撮影し編集した映像の放映や、主な作品を展示する予定。

写真:保管されている驚き盤。左下が手塚さんのアトム、その右がスヌーピーの作品
http://www.kyoto-np.co.jp/picture/2017/10/20171006114327anime450.jpg

以下ソース:京都新聞 2017年10月06日 11時00分
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20171006000041