国宝・鑑真和上坐像(がんじんわじょうざぞう)〈8世紀〉を安置する
奈良・唐招提寺の御影堂(みえいどう)〈国重要文化財〉で21日、
建物をレールに乗せて動かす「曳家(ひきや)」と呼ばれる作業が始まった。
今年4月に始まった「平成大修理」の一環。

午前10時過ぎ、御影堂の「宸殿(しんでん)」が4列のレールの上を動き出した。
事前に90トンの建物をジャッキで持ち上げ、レール上の鋼材の上に載せる作業を終えていた。
鋼材ごと水平方向にジャッキで押し出すと、建物が北方向にゆっくりと動いた。
この日は約10メートル移動させる予定だ。

建物を移動させ、基礎工事するのが目的。
鑑真の像は宸殿とは別の場所に移している。
御影堂は宸殿と「殿上及び玄関」(控えの間と玄関)の二つの建物からなり、
10月末までに両方を約30メートル動かす。
基礎工事後、屋根の葺(ふ)き替えや耐震補強をする。

御影堂は元は奈良・興福寺の建物。
奈良県庁などに使われた後、1964年に唐招提寺に移築されたが、
地盤が軟弱なため近年は建物が傾いていた。

写真:レールの上を移動する唐招提寺の御影堂「宸殿」
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170921001388_comm.jpg
写真:レール上の鋼材の上に載せられた唐招提寺の御影堂「宸殿」
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170921001528_comm.jpg

以下ソース:朝日新聞 2017年9月21日14時25分
http://www.asahi.com/articles/ASK9L7GK8K9LPOMB00D.html