【社会】
大火後初めて酒出荷 復興へ前進

糸魚川 加賀の井酒造

 昨年末の糸魚川大火で酒蔵を焼失し、富山県の酒蔵の設備を借りて酒造りをしていた加賀の井酒造(糸魚川市)が1日、大火後初めて日本酒を出荷した。
18代蔵元の小林大祐さん(35)は「復興に向けての大きな通過点。多くの方に飲んでいただきたい」と再スタートを喜んでいる。

 加賀の井酒造は、協力関係にある銀盤酒造(富山県黒部市)の設備を借り、2月に酒造りを開始。小林さんら職人たちが糸魚川市から通って純米大吟醸酒を仕込んだ。

 酒米は本県産の「五百万石」を使用し、軟水は現地で調達。720ミリリットル瓶入りで3500本を製造した。初日は160本をイオングループ向けに出荷。
今月上旬には糸魚川市内などの販売店にも商品が並ぶ見通しで、再建へ向けた動きがまた一歩進んだ。

 ラベルで製造元は銀盤酒造と記したが、加賀の井のロゴを表示。母の日や父の日のギフト用にもなるよう「感謝をこめて」の文字を入れた。
蔵元の小林さんは「いろいろな支えがあって酒造りができ、合格点をもらえる味に仕上げられた」と満足そうに話す。

 加賀の井酒造は、糸魚川市が8月末までに策定する復興まちづくり計画の内容も見ながら、再建を進める考え。小林さんは「夏には酒蔵の再建に着手したい」と意気込んでいる。

【社会】 2017/05/01 22:00
http://www.niigata-nippo.co.jp/sp/news/national/20170501321579.html