準大手ゼネコンが滋賀県東近江市で進めていた倉庫建設工事をめぐり、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)の幹部らが、提携する協同組合の加盟企業と供給契約を結ぶようゼネコン側を脅したとされる事件で、滋賀県警が、恐喝未遂容疑で同支部の組合員ら16人の逮捕状を請求したことが4日、捜査関係者への取材でわかった。16人は現場で嫌がらせ行為を行っていた「実行部隊」とみられる。

 捜査関係者によると、逮捕状が請求されたのは、いずれも別の威力業務妨害事件で起訴されている同支部執行委員の萱原成樹被告(52)=京都市右京区=ら3被告のほか、同支部の組合員ら13人の計16人。

 萱原被告らは平成29年3〜7月ごろの間、同支部の他の幹部らと共謀し、ゼネコンが手がける建設現場で、「仮囲いが1センチほど境界を越えている」と因縁をつけるなどの嫌がらせを繰り返した疑いが持たれている。

 事件をめぐってはこれまでに、同支部執行委員長の武建一被告(77)をはじめ同支部や協同組合幹部ら9人が起訴され、2人が有罪判決を受けている。

 大津地検は一部の公判で、同支部が関西一円で生コンクリート製造業者らでつくる協同組合と提携関係を結び、協同組合に加盟していない企業に対して供給先の現場で嫌がらせをして排除する活動を行う見返りに協同組合から現金を得ていたと指摘した。

 県警は資金の流れなど、組織の全容解明を進めている。

https://www.sankei.com/west/news/190205/wst1902050006-n1.html