野中良祐2018年6月20日05時30分

 北海道日本ハムファイターズなどで活躍した、元プロ野球選手の森本稀哲(ひちょり)さん(37)は円形脱毛症の当事者です。
華麗なプレーと明るいキャラクターでも人気を博しました。どんな思いで病気と向き合ってきたのか、聞きました。

→脱毛症、気にするのやめた 元日本ハム森本稀哲さん
→円形脱毛症は治療しなくてもいい 学会が指針改定

 発病は小学1年のとき。髪の毛をつかむと抜けてしまい、何ともいえない恐怖心がありました。外出時はいつも帽子をかぶっていました。
からかわれて嫌な思いをしたこともありました。初対面の人に会うのがストレスで、目線から逃れたいと思っていました。

 小学4年で野球を始めました。みんな帽子をかぶるので、ストレスはかなり減りました。治療をやめたのは5、6年生のころ。薬もかゆかったり、ヒリヒリしたり。自分から「もういいよ」と、親に言いました。

 中学、高校と野球に没頭し、活躍できるようになると、逆に「目立っていいじゃん」と。プロ入り後は、同じような子どもたちのためにも活躍しよう、という思いが強かったです。
 意外と周囲は気にしていなくて、自身が一番気にしてしまうんです。気にすることから外れた瞬間から、人生ががらっと変わりました。楽しいし、毎日が明るくなった。
治療を受けるかどうか、かつらをつけるかどうか。どちらにしても、それによって前向きな気持ちになることが大切だと思います。
 僕も病気に向き合うチャレンジャーの一人。同じ病気の人の力になれることがあれば、何でもしていきたいです。(野中良祐)

https://www.asahi.com/amp/articles/ASL646GKHL64PLBJ003.html
元プロ野球選手の森本稀哲さん=2018年6月8日、東京都千代田区、山本裕之撮影