【世界から】黒いメークは差別か?
日本のお笑いが投げかけた波紋
2018/2/6 16:00
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(写真)
19世紀にブラックフェイスのパフォーマーとして名をはせたローリン・ハワード


 昭和の時代、日本に「シャネルズ(のちに『ラッツ&スター』と改名)」という音楽グループがあった。40代以上の方ならもちろんご存じだろうが、
若い世代にはその甘い歌声から「ラブソングの帝王」として知られる鈴木雅之さんがいたグループと言った方が分かりやすいかもしれない。ドゥーワップと呼ばれる黒人音楽を歌って人気を呼んだ彼らは、
黒人音楽への尊敬の念を込めて顔を黒く塗っていた。当時、彼らのメーキャップが問題にされることは特になかった。ところが現代では、それは人種差別的行為とされる。

 今年に入って日本のバラエティー番組が世界に思わぬ波紋を呼んだ。お笑い芸人の浜田雅功さんが、米国人俳優のエディー・マーフィーさんが映画「ビバリーヒルズ・コップ」
で演じた役柄のまねをしようとして顔に黒いメークを施したことが海外で報道され、ネットで論議を巻き起こしたのだ。ニューヨーク・タイムズは、
「Japanese Comedian Who Used Blackface Comes Under Fire(日本人コメディアン、ブラックフェイスの使用で批判される)」という見出しでこれを報じた。

 日本でもかんかんがくがくの議論がなされた。国内で多く聞かれた意見は「浜田さんは単に
エディー・マーフィーのまねをしただけで人種差別の意図はなかったのだから謝罪する必要はない」というものだ。差別意識がない人間が、
黒人の扮装(ふんそう)で顔を黒く塗ることには何の問題もないではないか―。これは一見理にかなっているが、話はそう簡単ではない。

▽「ブラックフェイス」の持つ意味
▽「日本は無関係」でよいのか

     ===== 後略 =====
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(東京在住ジャーナリスト、岩下慶一=共同通信特約)