2017.11.24 15:30
【西論】
サンフランシスコ慰安婦像 姉妹都市解消もやむを得ない


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セントメリーズ公園に設置された慰安婦像。3人の女性が背中合わせに立ち、傍で慰安婦と見られる女性が見つめる構図となっている=22日、米サンフランシスコ(住井亨介撮影)
http://www.sankei.com/west/news/171124/wst1711240033-n1.html?view=pc


 慰安婦についての歴史の捏造(ねつぞう)を、これ以上許してはならない。

 米サンフランシスコ市議会が、慰安婦像と碑文の寄贈受け入れを全会一致で決めた。同市のリー市長も拒否せず、寄贈されることになった。

 姉妹都市関係にある大阪市の吉村洋文市長は、関係解消について改めて述べた。

 この判断を支持する。紳士的にふるまいつつ、通すべき筋はきっちりと通してもらいたい。

 ◆友好を損ねるもの

 碑文は慰安婦を「性奴隷」とし、「ほとんどが戦時中の捕らわれの身のまま亡くなった」などとしている。事実の歪曲(わいきょく)は明らかである。

 おさらいしておくと、像と碑は私有地である展示スペースに中国系民間団体が設置した。スペースはサンフランシスコ市に寄贈されることになっていた。吉村氏は再三、リー氏に慎重な対応を求める書簡を送ってきた。

 しかし寄贈受け入れの流れは止まらなかった。リー氏は10月、「地域に応えるのが私の責務」などとする返信を吉村氏に送っている。スペースはすでに寄贈されて市有地になった。なおリー氏の「良識」に期待したかったが、拒否されなかった。

 寄贈されたアメリカの公有地の慰安婦像は、グレンデール市、ブルックヘブン市に続いて3つ目となるという。民有地であっても誤った歴史が像や碑の形で後世に伝えられることは許されない。
しかし公有地に置かれることは、さらにゆゆしい事態である。その公共団体の意思として、事実ではない歴史を伝えることになる。

 市の「お墨付き」が反日運動に利用されることもあり得るだろうし、教育の場に持ち込まれないともかぎらない。

 両市の姉妹関係は今年60年となった。サンフランシスコでも、慰安婦問題のおかしさに気付いている市民もいるだろう。今後も民間レベルでの交流があってよい。しかし公共団体が虚偽の歴史を認めることがあってはならない。

 そもそも市議会は2年前、像や碑の設置を支持することを決議している。碑文の内容も市の機関が承認したものだ。市議会は今年、9月22日を「慰安婦の日」とすることも全会一致で決議している。

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