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 北朝鮮からと推定されるハッカーが昨年9月、韓国軍のデータベース(DB)センターに相当する国防統合データセンター(DIDC)をハッキングして盗み出した文書は235ギガバイトに上る。
A4サイズで1500万枚に相当する量だ。
韓国軍はハッキングで不正に流出したデータの総量自体は確認したが、どんな資料が流出したかは全体の22.5%に当たる53ギガバイト分(約1万700件)しか把握できていない。
残り80%近いデータ(182ギガバイト)は外部に流出した痕跡はあるが、どのデータがどれだけ流出したのか不明のままだ。
韓国軍はいわゆるバックドア経由で流出したデータ量は把握したが、ハッカーがハッキングの形跡を消去したため、データの内容まで特定できないからだ。

 韓国国防部(省に相当)は昨年、軍創設以来初めて軍のイントラネット(内部ネットワーク)である「国防網」がハッキングされて以降、「一部の機密資料が流出したが、深刻なレベルではない」と説明してきた。
しかし、国防部が野党・共に民主党所属の国会議員に提出した資料によると、流出したデータの中には第2級、3級の軍事機密がかなり含まれている。
第1級機密の流出はまだ確認されていない。
軍消息筋は「第1級機密は軍全体で10件もなく、機密であることを理由に文書の電子化もされていない」と説明した。

 韓米による北朝鮮との全面戦争計画である「作戦計画5015」は、今回流出が初めて確認された。
韓米両国は2015年、それまでの「作戦計画5027」に代わる作戦計画5015を導入した。
作戦計画5027は北朝鮮による挑発に際し、米本土からの増援兵力の到着を待って反撃する計画だったが、 作戦計画5015は増援兵力が韓半島(朝鮮半島)に到着する前に特殊戦部隊、ミサイルなどを使い、北朝鮮の指導部を攻撃する「斬首作戦」の概念が含まれている。
国会議員によれば、北朝鮮からの推定されるハッカーは作戦計画5015の基本計画はもちろん、作戦、軍需、訓練など分野別の計画文書数十件もハッキングしたという。

 ハッカーは特に金正恩(キム・ジョンウン)氏ら北朝鮮指導部に対する攻撃作戦など特殊戦関連の文書を集中的に盗み出したことが分かった。
流出した第2級軍事機密226件のうち192件(85%)が特殊戦司令部に関する文書だった。
文書には韓国の特殊戦司令部が北朝鮮国内で作戦を遂行する場合に使用する装備、主要作戦地域など具体的な内容が含まれるという。
韓国軍は作戦計画5015に従い、斬首部隊を今年12月1日に創設する計画を明らかにしている。

 流出した「作戦計画3100」は北朝鮮が一部地域に侵攻したり、局地的な挑発を行ったりした場合に対応するものだ。
2010年の延坪島砲撃のような事態を想定している。
流出した資料には、サイバー攻撃など非軍事的挑発への対応策も含まれている。
国会議員によれば、流出した一般軍事資料の中には、「K2作戦概念図」も含まれている。
それは斬首作戦と並び、北朝鮮の核・ミサイルへの対応策の核心である「キルチェーン(先制攻撃)」と韓国式ミサイル防衛体系(KAMD)に関するものだという。

 ハッカーはこのほか、韓米連合司令官への現状報告、陸軍参謀総長への業務報告など韓米の主な指揮官に対する業務報告資料も盗み出した。
指揮官に関する業務報告資料には、韓国軍の現状のほか、北朝鮮内部の動向など韓半島の安全保障に関する主な内容が全て含まれるという。
また、北朝鮮の核に関する探知施設関連資料、韓国軍部隊の野戦例規(野戦時に直ちに実行できるように細分化した規則)なども流出した。

 流出した資料には、北朝鮮が韓国国内の発電所、ダムなど主要施設を攻撃した場合の韓国軍による対応計画も含まれている。
軍は弾道ミサイル発射、化学テロ、発電所など基幹インフラへの攻撃など北朝鮮による挑発の類型別に対応計画を立てていたが、その相当部分が北朝鮮の手に渡ったことになる。

 安全保障専門家は「北朝鮮は韓国側の対応計画に基づき、攻撃計画を向上させることができる」と指摘した。


韓国軍の機密文書1500万枚相当が北朝鮮に流出
朝鮮日報:2017/10/10 09:42