2017年3月22日16時2分 スポーツ報知
 「声優のアイコ」を名乗り、男性に睡眠薬を飲ませて金品を奪ったとして、昏睡(こんすい)強盗罪などに問われた無職・神いっき被告の公判が22日、東京地裁(石井俊和裁判長)で開かれた。


 検察側は懲役15年を求刑。弁護側代理人は責任能力がないとの理由で無罪を訴えた一方、神被告は「求刑通りで仕方ない」と異なる主張をした。

 神被告は公判の中で一度は罪状を否認したものの、2015年7月の被告人質問で「自分の中にある別人格の犯行」と証言。
その後、2人の医師による精神鑑定が行われ、解離性同一性障害(DID)が犯行の原因となっているかどうかが争われていた。

 検察側は、弁護側の精神鑑定の方法に問題があることや犯行に計画性が見られたことから、神被告がDIDでないと主張。
一方、弁護側は神被告の中に存在する、アイコを名乗った「ミサキ」という人格の犯行とし、神被告自身は罪に問えないとした。

 公判の最初から落ち着かない様子を見せていた神被告は、石井裁判長から「最後に何か言っておくことがあれば」
と証言台にうながされると、フラつきながら着席。十数秒ほど沈黙すると、絞り出すようにして話し始めた。

 「オレは…、無罪になっちゃいけないです。全部オレが悪いです。求刑通りの刑で、オレは仕方ないんです」と涙交じりの声。別人格「ミサキ」の犯行であるとしながらも
「被害者の方、さらに被害届を出さずに泣き寝入りした方もたくさんいると思う。その人たちにも大変申し訳なく思っています。オレは、素直に(刑を)今は受け入れようと思っています」と陳述した。

 判決公判は4月28日に開かれる。

http://www.hochi.co.jp/topics/20170322-OHT1T50114.html