道内のエゾシカ食肉処理施設は、おおむね道東に集中し、札幌周辺や空知は少ない。
そうした空白地帯の受け入れ先を当別町で設け、地域の活性化を図ろうというのがシンカンの狙いだ。

 地域の子どもたちに向け、食育を進めたい考えもある。「養鹿と1次処理の両施設を
見学してもらうことで、命の勉強につながれば」と向井さんは話す。

 「林業はチェーンソーで木を切るだけでなく、1本ずつ苗木を植えたり下刈りをしたり
と地味な仕事が多く、なり手が少ない。エゾシカの事業を通し、地域の子どもたちが
少しでも山仕事に興味を持ってもらえれば」と話している。