<武田薬品>創業地の本社売却検討 聖域なく効率化
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180706-00000080-mai-bus_all

武田薬品工業が、創業地の大阪市内にある本社ビルの売却を検討していることが分かった。
同社はアイルランド製薬大手シャイアーを約7兆円で買収することで合意しており、財務の悪化が懸念されている。
創業の地の資産も聖域なく効率化を進めて、本業を強化する。

武田は、1781年に「薬の町」として知られる道修町(大阪市中央区)で創業。
本社機能は東京に移ったが、今でも登記上の本社がある「武田御堂筋ビル」の土地と建物が売却の対象となる。
現在は開発部門などの社員が働いている。武田は10月をめどに入札を実施し、年内にも売却先を決めたい考え。
売却額は600億円程度の見通しで、売却後も賃貸に切り替えて武田が使用する見通し。

同社は昨年、子会社だった和光純薬工業(現富士フイルム和光純薬)の株式を売却。
東京都内で保有するビルを高島屋に売却することも決めており、資産売却を通じた財務の効率化を進めている。

道修町は江戸時代から薬の町として栄え、塩野義製薬や大日本住友製薬など複数の大手製薬会社が本社を構える。
地元では、武田の本社売却により、道修町のブランド低下を懸念する声も出ている。