■「優等生」
 札幌ドームは、サッカー2002年ワールドカップ(W杯)日韓大会の国内会場として建設された10施設の中で
唯一黒字基調を続け、札幌市の財政支援なしに経営する「優等生」だ。開業当初からコンサドーレが本拠地とし、
日本ハムは04年に東京ドームから移転。「ダブル本拠地」は経営の安定に大きく寄与し、平均で年間2億8千万円の経常黒字を出してきた。
赤字となったのは大型ビジョンを更新した14年度のみ。利益剰余金(内部留保)は20億円まで積み上がるなど、財務内容も健全だ。

 しかし、今後は経営の効率化が不可欠となる見通し。移転後の経営規模を検討する上で、
札幌市スポーツ局は「開業3年目の03年度の経営状況が目安となる」とみる。
この年度は日ハムの本拠地となる直前で、プロ野球の試合は巨人戦など29日、売上高も現在の半分程度の22億円しかなかった。
それでも約2億3千万円の経常利益を出すことができていた。