人の死が受け入れがたいという思いから生み出された想像の産物が、
魂と死後の世界である。そういう思いの比喩的表現だと考えていれば
問題ないが、物語を創作して、現実に存在すると言い出すと話が
ややこしくなる。

輪廻転生は魂が存在して無限に増え続けると不都合が生じるから
考え出されたものと思われる。「一寸の虫にも五分の魂」というように、
虫にも半分ぐらいの魂があるらしいから、輪廻転生するにしても、
相当な数が必要になる。

でも、この宇宙に最初の生命が誕生する以前に魂はあったのかどうか。
生命の起源は科学的に研究されているが、最初の魂の起源について
考えると輪廻転生も宇宙時間的には成立していない。そもそも魂は
生命という概念(存在)がなければ成立しない。

始まりがあるものには終わりがある。現れたものはいつか消える。
不滅の魂が存在することは自然の摂理に反する。