四国では、歩き遍路が野宿するのをよく見受ける
ただ、絶対にここで夜を明かしてはならないといういわくつきの場所もある
ある人は、3Yに気をつけろと言う
一に野犬、二にヤンキー、そして三に幽霊である
そういう情報を知らず、タブーの場所で野宿した人の恐怖体験談だ
一人の若い男の人が高知県の遍路道を急いでいた
高知は修行の道場と言われるほど、寺と寺の行程が長く、過酷な地域である
途中の野宿は想定通りであったが、問題は日が暮れそうなことと天候の急変であった
もうすぐ行くとあずまやがあり、そこで夜を明かすつもりであった
なんとか日暮れまでにたどり着いたそこは、なかなか綺麗な場所で屋根はあったが
周りの壁がなかった
これでは雨が激しく降ると寝袋も自分も酷く濡れてしまう
すでにそういう体験をしていた彼は、手持ちのノートを見た
ここにいろいろ調べたり途中他のお遍路さんから聞かされた情報を書き込んでいる
もう少し行くと廃校がある
そこなら泊まれそうだし屋根も壁もあるだろう
そう考えた彼は一度下ろした荷をしょってその廃校を目指したのであった