爺ちゃんの冒険書に書いてあった、ラウル古代遺跡。
 爺ちゃんの最期の冒険、ラウル古代遺跡を確かめるため、ここまで来た。
 オレは今、世界を見ている。爺ちゃんが見てきた世界。
 オレは爺ちゃんに貰ったクリスタルの首飾りのクリスタルを握り締める。
 このクリスタルは、爺ちゃんがラウル古代遺跡で採取したらしい。
 爺ちゃんが死んでから、オレはクリスタルの首飾りを肌身離さなかった。
 爺ちゃん。オレはこれから、世界を見ていく。

 オレたちを包んだシャボン玉は上昇気流に乗って目がくらむ高さまで上昇した後、風に任せてゆっくりと飛んでゆく。
 オレは束の間の旅を楽しむ。
 その時、飛行機の様な騒音が近づいてくる。

「なんだ?」
 オレは何事かと思い、音のする方に顔を向ける。

 騒音とともにごっついホバーボードに乗った、幼馴染のミサがオレとネロの間に割って入る。
 オレは寝返りを打って、やっと来たミサを「おせぇんだよ」と呟く。
 ミサは亜麻色のポニーテールでエメラルドグリーンのベレー帽を斜めに被り、額にゴーグルを装着している。
 両耳にハートのピアス、首にはハートのネックレス。
 服は白のブラウスで胸に小さな紅いリボンが付き、スカイブルーのガーディガン。
 コウモリの形をした黒いマントを羽織り、両手に革の黒いグローブを嵌めている。
 下はピンクのフレアスカートに太腿丈の黒いスパッツを穿き、膝から下は縞のニーソックス。
 靴は黒いショートブーツ。