自民各派、疑惑続出に動揺 安倍氏説明要求の声 2020年12月03日22時07分

 自民党の吉川貴盛元農林水産相の金銭授受疑惑が浮上したのに続き、
「桜を見る会」前夜祭問題で東京地検特捜部が安倍晋三前首相に任意聴取を要請したと報道され、
党内で3日、動揺が一段と広がった。各派幹部からは両氏に説明を求める声が上がった。

 竹下派の竹下亘会長は派閥例会後、安倍、吉川両氏について記者団に
「説明責任があるのは当たり前だ。どこかの時点で話すと強く期待している」と強調。
岸田派の岸田文雄会長は吉川氏に関し、「政治の信頼という点で重大、深刻な問題だ。
どう説明するか注視しなければならない」と語った。

 吉川氏が事務総長を務めていた二階派も定例の総会を開いたが、
金銭疑惑は話題に上らなかったという。公職選挙法違反事件の河井案里被告(参院議員)と
カジノ汚職事件の秋元司被告(衆院議員)は自民離党後も特別会員として同派に所属。
ベテランは「衆院選でかなりの逆風になる」と語った。
石破派中堅は「問題は二階派ばかり。反省がない」と厳しく批判した。

 石破茂元幹事長はBS―TBS番組で
「事実とすれば、大臣室で現金のやりとりなど常識からいってあり得ない」と指摘した。
 加藤勝信官房長官は記者会見で、安倍氏について「国会でできる限りの説明をした。
捜査には全面的に協力していく旨を述べた」と語るにとどめた。

 一方、立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者団に、改めて安倍氏の国会招致を主張した上で
「次から次へと問題が出てくるのは菅政権に引き継がれた体質だ」と非難。
共産党の志位和夫委員長は会見で、吉川氏の農水相在任中に
菅義偉首相は官房長官だったとして「菅政権、自民党執行部に重大な責任がある」と断じた。
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