FBとグーグル、ベトナム政府の検閲手助け アムネスティ報告 2020年12月1日 18:57
発信地:ハノイ/ベトナム [ ベトナム アジア・オセアニア 米国 北米 ]

【12月1日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は1日、
ベトナムにおいて米フェイスブック(Facebook)とグーグル(Google)が
平和的な批判や政治的表現の検閲を手助けしていると非難し、
両社のプラットフォームが「人権禁止区域」になっていると警告する報告書を発表した。

 共産主義のベトナムは独立系メディアを禁止しており、
活動家にとってフェイスブックが人気のプラットフォームとなっていた。しかし政府は最近になり
フェイスブックの利用者を対象とした取り締まりを強化しており、批判の声が上がっている。

 フェイスブックは今年、当局が違法と判断したコンテンツの閲覧を制限していたことを認めた。
同社の最新の透明性リポートによると、政府の要請により検閲したコンテンツの量は、
過去6か月と比較し約1000パーセント増加した。

 アムネスティは報告書で、今年に入ってからフェイスブック上のコンテンツについて、
ベトナム国内での閲覧を制限された活動家11人にインタビューしている。
グーグル傘下の動画共有サイト、ユーチューブ(YouTube)で
同様にコンテンツを制限された活動家もこの他に3人いたという。

 そのうちの一人、民主派団体のメンバーだとして逮捕状が出され
国外に逃れたグエン・バン・チャン(Nguyen Van Trang)氏は、5月以降にフェイスブックに投稿した
ベトナム共産党のグエン・フー・チョン(Nguyen Phu Trong)書記長と
チャン・クオック・ブオン(Tran Quoc Vuong)党書記局常務に関する
すべてのコンテンツが制限されたと述べた。

 また領土問題など議論を呼ぶ問題を扱ったユーチューブの投稿は、
ベトナムから閲覧できないよう制限されたという。(続く)