『深セン』を支えるファーウェイのAIスマートシティ戦略
11/23(月) 8:00配信 36Kr Japan
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb796e0a9b4b68d8d3492c4716a9761cd83ce5d9

華為技術(ファーウェイ)日本法人Cloud & AI事業本部で最高戦略責任者を務める林憲一氏と、騰訊控股(テンセント)日本法人でクラウド部門の技術責任者を務める付昂氏が登壇し、
両社の技術力や強み、また中国ですでに社会実装されている事例について紹介した。

ファーウェイからは中国におけるスマートシティの先駆けとなったパイロット都市、深センにおける事例を中心に、同社が注力するAIを活用したソリューションについて紹介があった。
林氏の紹介によると、深センは40年前には人口30万人の小さな漁村だったところから中国初の経済特区に指定されたことにより製造業を中心に目覚ましい発展を遂げ、
現在では人口2000万人の超大型国際都市となっている。中国を代表するIT企業のファーウェイやテンセントも深センに本社を構えていることから、まだまだ都市の進化に衰えは見られないという。
深セン市で実際に取り組まれているスマートシティの一例としては、行政のデジタル化がある。スマートフォンを使って市役所の様々なサービスが受けられる。
すでに市民のインフラとなっているWeChatのミニプログラムを通じて、住民票や社会保険、学校関連などほぼすべての手続きがオンラインで実行できるようになっている。

ファーウェイといえば、AI×ハードウェアの領域で国内屈指の実力の持ち主であるが、特に同社の強みが発揮される事例として、深セン空港の事例があげられた。
現在、国際都市における空港間の競争が激化するなかで、より競争力の高い空港として認知されるために各空港のスマート化が求められている。
深センのスマート空港プロジェクトでは、あらゆる空港業務のDXがテーマとなっているが、一つの事例として、旅客のチェックインから搭乗までの体験を著しく向上させた事例について紹介された。
通常、空港内ではチェックインや荷物預け、セキュリティチェックなど様々な場面で毎回身分確認が必要となり、そのたびにパスポートや航空チケットを見せるのが現状だ。
そこで深セン空港ではAIを活用したシームレスな顔認証システムを導入することで、ストレスのない旅客体験を提供しており、チェックインから搭乗までをわずか6分で完了させることも可能だという。

また非常に興味深いのは、ファーウェイでは機器やAIソリューション提供だけではなく、空港で働くスタッフの意識や言語の統一といったデジタル変革コンサルティングにまで踏み込んで業務を行っている点である。

プロジェクト開始当初は、空港で働く各スタッフやDX担当者から「AI活用に対して懐疑的な目」を向けられることもあったというが、
ファーウェイの技術力やソリューションについて丁寧な説明やデモを通じて理解を深めてもらうことで、現在では理解者も増え、力強くDXが推進されている。
日本でもAI導入時に同様のケースが発生すると考えられるが、参考にできるノウハウはファーウェイにありそうだ。