「ジェンダーの平等」を平和構築の中核に 中満国連事務次長ら寄稿 2020.11.27 21:38

 国連安全保障理事会で2000年10月31日に女性と平和・安全に関する初の決議が採択されて
20年を迎えたのを受け、国連の中満泉事務次長・軍縮担当上級代表と
セルマ・アシパラ=ムサヴィ軍縮問題諮問委員会委員長が連名で産経ニュースに寄稿した。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で、私たちはみな困難と不透明さに
直面している。暴力−ときとしてそれは家のすぐ外で起きる武力衝突の猛威によるもの、
あるときは家庭内の暴力−と闘う人々にとって、不安と苦しみが日々一刻一刻を覆いつくしているだろう。

 今年前半、(各国で)外出禁止令が出た際、多くの世界中の女性や少女は突然、
虐待者とともに周囲の視界から隔離されてしまった。時には銃口を突きつけられて。
それから間もなく、国連事務総長は「家庭内暴力の恐るべき世界的急増」の兆しを報告した。

 パンデミックが収束しても、こうした女性たち、特に武力紛争や暴力で荒廃した社会に住む
女性たちに安心はほとんどもたらされないかもしれない。
その状況が放置されれば、暴力の波はこうした女性たちに絶え間なく襲い掛かるだろう。

 すべての女性は、武器を用いた暴力を終わらせることに、等しく限りない利害を持っている。
世界は彼女たちに、家庭や地域、世界各地で、それに対抗する可能な限りの
手段を与えなければならない。私たちの生命を脅かしている恐ろしいウイルスは、
この課題の解決をさらに喫緊なものにしている。(以下略)

ttps://www.sankei.com/world/news/201127/wor2011270023-n1.html