https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR120FQ0S0A211C2000000
「FTAなし」予想、賭け屋で拡大 英EU交渉で
英EU離脱
2020年12月12日 11:17

【ロンドン=篠崎健太】英国と欧州連合(EU)の将来関係交渉をめぐり、ブックメーカー
(賭け屋)で「自由貿易協定(FTA)なし」になるとの予想が拡大している。英・EU首脳が
交渉期限とした13日が迫っても歩み寄りの兆しが見えず、合意への楽観が後退しているため
だ。外国為替市場では英通貨ポンドが約1カ月ぶり安値水準に沈んだ。

英ブックメーカー大手のウィリアム・ヒルは11日、年内に英・EUが通商協議で合意するかを
めぐる賭けで「合意なし」に1.6〜1.7倍程度のレートを提示した。ブックメーカー比較サイ
ト「オッズチェッカー」によると、週初の7日時点で同社は2.5倍前後だった。合意なしとの
予想の強まりを受けた見直しだ。「合意あり」の賭けでは2倍程度となっている。

他の業者でも週末にかけて、合意なしへの賭けに対する倍率引き下げが相次いだ。ジョンソ
ン英首相は10日、交渉は決裂の可能性が高いと発言した。「12月末の期限がさらに近づいて
賭け業者がカバーに走った」(オッズチェッカー)