─疑惑の存在自体に勝算ですか?

ジェームズ その理由をこれから説明しましょう。そもそもトランプ側は選挙に勝つ気がありません。
彼らは選挙自体をフェイクと断罪し、米国憲法修正第12条を盾に、「憲法に裏付けされた再選」を目指しています。
具体的には、選挙に疑惑が存在することにより、12月の選挙人投票に影響が出ます。

 ここで修正第12条(※)を参考にすると、二通りのシナリオが可能です。第1のシナリオでは、選挙人投票後、
選挙人たちは各州の選挙人団が選出した大統領候補を記した証書を議会に送ります。
しかし、ミシガン州のように疑惑があると、共和党の選挙人はトランプ、民主党の選挙人はバイデンのように、
州知事の署名無しに、それぞれバラバラの証書を送りつけることが可能性としてあります。
その証書を受け取るのは上院議長を務める副大統領職の人間です。つまり、トランプ派のペンス副大統領です。
ペンスは民主党側からの証書を拒否する権限があります。
すると2021年1月6日に開催される連邦議会の両院合同会議でトランプが大統領として承認されます。

※「選挙人は、その投票において大統領として投票する者を指名し、別の投票において副大統領として投票する者を指名する。
また選挙人は、大統領として投票されたすべての者あるいは副大統領として投票されたすべての者の表
ならびに各人の得票数の表を作成し、これらの表に署名し証明した上、封印をして上院議長に宛て、
合衆国政府の所在地に送付しなければならない。
上院議長は、上下両院議員出席の下に、すべての証書を開封し、次いで投票が計算される」(アメリカ合衆国憲法修正第12条)

→上院議長は合衆国副大統領が兼任することが憲法で定められているため、現在の上院議長はマイク・ペンス副大統領。