ウリ日記読むのが好きなんだが(山風がお気に入り)やっぱり100年前の日記が話題になってたんだね

「12歳少女がつづる 1世紀前のスペイン風邪日記」2020/05/24 09:45
https://www.google.com/amp/s/www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202005/sp/0013366822.shtml%3Fpg=amp

 約100年前、スペイン風邪が猛威を振るう世の中を、12歳の少女がつづった日記が京都市内で見つかった。親類や知人が次々と倒れ亡くなっていく様子、自らも感染し、しばらく学校を休んだ不安な思いを克明に記録。市井の人が疫病をどのようにとらえていたかが分かる貴重な史料で、近く抜粋版が神戸から出版される。(井原尚基)

 日記の作者は、同市下京区の徳正寺に生まれ、旧京都市立高等女学校に通っていた野田(旧姓井上)正子さん(1906〜98年)。日記帳は2017年、野田さんの弟の孫に当たる同寺住職で詩人の扉野良人(とびらのらびと)さん(48)が境内で見つけた。
 同校に入学した直後の1918(大正7)年5月からの4年間を、6冊にわたって記す。試験の出来や鞍馬山への遠足など、最初は穏やかな日常で始まるが、スペイン風邪の流行が全国で本格化した18年秋口、様子が一変する。
 〈10月22日〉この頃は大変いやな風(風邪)が流行するので、先生も父母も私に気を付けよとおっしゃる。
 〈11月12日〉この頃新聞を見ると黒枠の広告が沢山(たくさん)ついている。お友達の重田さんのお母さんも8日になくなられたそうで(中略)おくやみに行った。
 11月28日には、祖父が亡くなった。
 「ついこの間、京都へ来られて私とピンポンをしたりして遊んだのに(中略)お茶のおけいこに行くのも忘れて泣いて泣いて泣き尽くしました」
 翌年2月、母が知人の見舞いに行った直後、正子さん自身も感染する。
 〈2月20日〉今朝大変のどが痛かったので父が学校を休めとおっしゃったが強いて行った。
 〈21日〉病気で学校を休み一日寝ていた。
 その後、病状についての記述が続き、3月10日にやっと登校する。
 〈3月10日〉久しぶりに学校の門をくぐった。先生にお会いして、こんなに長い間休んだら落第になりますかとお尋ねしようと思っていたが、なんだか言いがたかった。お友達から試験のお話を聞けば聞くほど心配が増した。
 一方で、第1次世界大戦の休戦を祝うちょうちん行列など、多くの人が集まる場所を訪れたことも記載。感染を防ぐ意識は薄いことが読み取れる。
 扉野さんの記憶に残る正子さんは「穏やかでいつも笑顔のおばあちゃん」。「少女時代の日常が、SNSのタイムラインのように読めたことに驚いた」といい「日記文学としても価値があるのでは」として全文の書籍化を検討している。
 19年3月までの日記を抜粋した「十二歳のスペイン風邪」は、神戸市垂水区在住の詩人季村敏夫さんが30日に発行する個人誌「河口から」最新号に掲載する。千円(送料別)。出版社「澪標(みおつくし)」http://miotsukushi.co.jp
■まさに「京都版アンネの日記」/磯田道史・国際日本文化研究センター准教授(日本史学)の話
 同時期の既知の日記は多くが大人の男性によるもので、少女が時事問題にまで踏み込んだ例は珍しい。(金沢城下の武士の暮らしぶりを詳細に記録した)「武士の家計簿」の古文書発見時と同じくらい興奮した。当時の生活・世相を活写した、まさに「京都版アンネの日記」。大正文化史の貴重な資料だ。