【妄想を持つ人との付き合い方:困っている人々を助けるために】

妄想を持つ人は、自分では真実と思いながら、自分と周囲を傷つけ続けます。必要なのは、私達の理解と支援です。

■妄想とは
妄想とは、誤った思い込みです。みんながありえないと考えることを、強く信じるのが妄想です。何となくそのような気がするのではなく、本人としては事実です。現実的ではないのに、本人は強い確信を持ち、周囲から説得されても訂正できないのが妄想です。

一般の会話で使われる「こうなるといいなあ」という意味の妄想と、精神医学で使われる妄想とは意味が違います。

「宝くじが当たる気がする」「僕はあの子に好かれている気がする」というのは妄想ではありませんがけれども、本当は違うのに「私は天皇家の人間だ」と信じて、誰に説得されてもその考えを変えなければ、妄想ということになります。

どう考えてもありえない妄想もあれば、事実であってもそれほどおかしくはない妄想内容もあります。

たとえば、「スカイツリーから電波が出て僕の脳をコントロールしている」という妄想もあれば、客観的には何も起きていないのに「近所の人みんなが私を攻撃してくる」とか、何の証拠もないのに「夫が浮気している」という妄想を持つときもあります。

夫が浮気しているような気がするのではなく、その人の心の中では、明らかに「夫は浮気している」のであり、他の人が「そんなことはない」と言っても、まったく考えは変わりません。