【思考盗聴とは】
思考盗聴とは、精神障害による妄想である。正確には関係妄想であり、例えば以下のようなものである。(関係妄想とは、自分には完全に関係の無い事を関係があると考える妄想)
「近所の人の咳払いは、自分への警告だ」
「救急車が近くに来たのは、自分を監視するためだ」
「ドラマの内容が、自分が以前から考えていた物語と一致する。これは自分の思考をハイテク装置を使い思考盗聴して盗んで使ったからだ」
などである。
また、幻聴により関係妄想が誘発される場合もある。
例えば、幻聴との以下のような会話で誘発される。
自分「考えが盗まれている気がする」
幻聴「やっとわかったか」
自分「お前、隣に住んでる奴だろう?」
幻聴「そうだ」
自分「電磁波を使って考えを読んでいるんだろう?」
幻聴「盗んでいる。ある所に頼まれてやっている」
などである。
この場合は、本人は声を出さずに考えているだけなのに、考えに反応して幻聴が返ってくるパターンである。
これは、あくまで一例であり、脳内の会話なので内容を含めてパターンは無数にある。
そして、本人にとって幻聴は現実に聞こえてくる声そのものなので、例え周りが幻聴だと指摘しても全く信じられないのである。
そのため、考えが盗まれているのは電磁波を使ったハイテク装置による思考盗聴だと関係妄想して、訂正が不可能になってしまうのである。
このようにして、幻聴により関係妄想が誘発される場合もある。
ちなみに、幻聴との会話で、最後の部分が変わると、
自分「考えが盗まれている気がする」
幻聴「やっとわかったか」
自分「お前、隣に住んでる奴だろう?」
幻聴「そうだ」
自分「電磁波を使って考えを読んでいるんだろう?」
幻聴「盗んでいる。お前が気に入らないから嫌がらせをしている」
となり、途端に犯人が「ある所」から「隣に住んでいる人」に変わり、最悪の場合、隣に住む人との間で取り返しのつかない事件が起こる可能性も十分に出てくるのである。